中畑DeNA 2038日ぶり5割!天敵マエケン止めた

[ 2013年5月8日 06:00 ]

<広・D>プロ初勝利の井納(左から2人目)とナインを迎えるDeNA・中畑監督(左)

セ・リーグ DeNA7-3広島

(5月7日 マツダ)
 DeNAが7日、広島を下し今季初の4連勝を飾った。打線は昨季、ノーヒットノーランを許した前田健太投手(25)から相手守備の乱れなどに乗じて5回までに4点を奪い、ルーキーの井納翔一投手(27)も6回途中まで3失点と粘り、プロ初白星。5月以降としては07年10月8日以来、2038日ぶりの勝率5割に戻した中畑ベイスターズが念願のCS進出へ向かって突き進んでいく。

 いつもの中畑監督ではなかった。天敵・前田健から白星をもぎ取り、今季初の4連勝。借金完済したが、おどけた表情を見せなかった。

 「マエケン相手に白星をつけられたのは大きい。粘りのある勝ち方。去年ならやられている流れだった。ただ(抑えの)山口がピタッと抑えてくれないと。小さいくぎを刺しときました」

 前田健との通算成績は通算5勝14敗。特に昨年は完璧に抑え込まれた。4月6日の広島戦(横浜)でノーヒットノーランの屈辱を味わうなど、1勝6敗、防御率0・58。「マエケンには絶対勝ちたいんだよ。倒さなければ上に行けない」。指揮官の執念にツキも味方した。2回1死満塁から鶴岡、井納の二ゴロが菊池の連続敵失を誘って3点を先制した。4回も1死二、三塁から荒波の右犠飛で4点目を追加し、5回で前田健をマウンドから引きずり降ろした。

 今季は1点差の勝敗が6勝3敗。延長戦になると無傷の4連勝となる。接戦に強い秘けつは、選手を次から次へとつぎ込むキヨシ流の「全員野球」がある。ブランコ、モーガン、多村ら実績ある選手に加え、松本、井手の既存戦力も成長。昨年よりも選手層が厚くなったから、延長12回を見据えて思い切ってカードを切ることができる。

 この試合もベンチに残っていた野手は捕手の高城だけ。延長10回でサヨナラ勝ちした1日のヤクルト戦(横浜)ではブルペンに残っていた投手は大原だけだった。このときもアクシデントが発生した場合は、高城に「できるだろ?」と確認した上で登板させる予定だった

 「あらゆる場面を想定して出し切る。それで非常事態でそういうふうに使うこともある。プロ野球として面白いでしょう」。指揮官の信念が結果につながっている。球団の5月以降の勝率5割は07年以来6年ぶりの快進撃。しかも、5月は5勝1敗で巨人、阪神を抑えてリーグ首位だ。「一戦必勝。きょうはたまたまそういう流れが来ただけ」。目標はもっと上にある。本当の逆襲はこれからだ。

 ▽DeNAが昨季、前田健に許したノーヒットノーラン 前田健の最速150キロ直球と鋭く手元で変化するスライダーに苦しみ、打線は初回から凡打の山を築いた。6回2死に内藤が四球で初めて出塁も続く石川が遊ゴロ。9回2死からも石川が四球で歩いたが、梶谷が投ゴロで試合終了。打者29人の内訳は三振6、内野ゴロ15、内野飛球3、外野飛球3、四球2。

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2013年5月8日のニュース