能見大暴れ「高校2年以来」一発&完投2勝目

[ 2013年5月7日 06:00 ]

<巨・神>6回1死、能見は右越えソロ

プロ野球 セ・リーグ 阪神5-2巨人

(5月7日 東京D)
 独走する巨人の前に投打で立ちはだかったのが能見だった。3―2の6回。巨人・笠原が投じた140キロの直球を右翼席に運んだ。プロ9年目での初アーチに「まさかのまさか。野球人生、プロで1本は打ちたいなと思っていた」。普段はクールな左腕も「(本塁打は)高校2年以来」という手応えに自然と相好を崩した。

 もともと、打撃にも探求心旺盛だ。今季からは「手になじみやすいように」とバットを新たに880グラムと軽量化し、メープル素材とした。ホームゲームの際は他の投手より早くグラウンドを後にし、室内練習場でマシン打撃を行う。

 本業の投手としても尻上がりに調子を上げた。4月16日の巨人戦(東京ドーム)の登板中に左中指の爪を割り、24日に出場選手登録を外れた。そして、この日が復帰戦。「フォームのイメージが違った」と序盤はフォークボールの制球が悪く2点を失った。しかし緩急をつけるためにチェンジアップを入れ、変化球に偏っていた配球も見直す。これで投球のバランスが改善されると、直球も「手元でピッといく感じが打者の反応にあった」と腕を振って投げ込めるようになり、3回以降はわずか1安打で二塁すら踏ませなかった。

 125球の力投で、4月9日の巨人戦(甲子園)以来の2勝目。本人は「チームに迷惑を掛けたのでこれから頑張りたい」と余韻に浸る暇はなかったが、和田監督は「投げて、打って、能見に尽きるよね」と絶賛。これで今季、巨人の9敗のうち4敗が阪神。セ・リーグを面白くするのは、やはり阪神しかいない。

 ▼金本知憲氏(スポニチ本紙評論家)昨年か、一昨年だったか。甲子園球場のクラブハウスでロッカーが隣の能見が話していたことを思い出した。「1本でいいからホームランを打ってみたいんです」。しかも「打てるとしたら東京ドームですかねえ…」と。凄くいい当たりの本塁打に驚かされた。打つことが本当に好きなんだろう。キャンプでも野手顔負けの打ち込みをやってきたから。成果が出たことがうれしい。

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