イチロー 5月マルチ発進!米メディア「1年目で殿堂入りするべき」

[ 2013年5月3日 06:00 ]

<ヤンキース・アストロズ>初回、右中間へ三塁打を放ち、滑りこむヤンキースのイチロー

ア・リーグ ヤンキース5―4アストロズ

(5月1日 ニューヨーク)
 ヤンキースのイチロー外野手(39)が1日(日本時間2日)、アストロズ戦に「1番・中堅」で出場し4打数2安打。初回に三塁打を放つなど、今季初の2試合連続マルチ安打をマークし、同点の6回にはチーム打撃で決勝点も呼び込んだ。5月は月別で打率・343と自己最高成績を誇る。イチローの代名詞といえる1番で、得意の季節をスタートさせた。

 相手守備がクッションボールをもたつくと、イチローは迷わず二塁を蹴った。初回だ。ファウルで粘りながらの8球目。2ボール2ストライクから90マイル(約145キロ)直球を右中間へはじき返し、今季初の三塁打。続くニックスの左前打で先制のホームを踏んだ。

 2回には一塁内野安打をマークし、今季初の2戦連続マルチ安打。そして同点の6回1死一、三塁では真骨頂のチーム打撃も見せた。「知らない投手だから三振しないこと。(内野陣が)下がっているのが分かっていましたからね。(打球を)投手を避ければ(点が入る)というのはありました」。初対戦だった左腕ライトの内角低めツーシームを引っ張り、狙い通りに力のない二ゴロを放った。イチロー自身はアウトも、一塁走者が一、二塁間で挟まれて併殺となる前に、三塁走者ヌネスが生還し決勝点を奪った。

 この日はここまで主に1番に起用されていたガードナーがスタメンから外れ、イチローが4月28日ブルージェイズ戦以来、今季2度目の1番に座った。相手先発はマリナーズ時代に同僚だった左腕ビダード。ジョー・ジラルディ監督は「よく当たっているから」と、試合前まで今季左腕に打率・370を残してきたイチローのデータを重視した。

 とっておきのデータがもう一つある。5月はイチローにとってメジャー移籍後、月別で自己最高打率・343をマークしている。しかも、今季は4月終盤から上り調子で、最近5試合は19打数8安打で打率・421。例年、開幕直後の4月は微妙な打撃感覚を調整する期間で、ここからがイチロー本来の季節となる。

 打撃が低迷していた4月には「今後イチローをどう使うのか?」「2年契約は球団内で満場一致ではなかった」と米メディアから批判報道が相次いだが、この日のESPNラジオの電子版は「殿堂入りが確実なイチローだが(引退5年後の)資格取得1年目で殿堂入りするべきだ」と絶賛した。今後、左だけでなく右投手も攻略していけばマリナーズ時代から慣れ親しんだ「1番」に定着する可能性もある。チームも今季最多の貯金7。背番号31の5月反攻が始まった。

 ≪5月は過去12年で9度3割超え≫イチローにとって5月は最も相性のいい月間といえる。年度別で見ても、過去12年間のうち9度は打率・300を超え、同・350以上、月間40安打以上を7度もマークしている。最高成績は02年の打率・404。マリナーズに所属した昨季は打率・250だったが、ヤ軍の方が打線が強力とあって、イチローに対するマークが減るため好結果を残す可能性は高い。投手の左右別ではこの日の2安打で対左投手の打率は・387に。右投手攻略が当面の課題となる。

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