夫人にメジャーに見せた!マー君2年越し8連勝

[ 2013年5月2日 06:00 ]

<楽・日>子供たちとハイタッチする田中

パ・リーグ 楽天4-1日本ハム

(5月1日 Kスタ宮城)
 思い切り、田中が腕を振った。内角に構えた嶋のミットは1ミリも動かない。打線が同点に追い付いた直後の5回2死一、二塁。打席には先制打を許した中田。この日最速の149キロの直球で見逃し三振に仕留めた。

 「あの場面は(捕手の)嶋さんのサインだけど、自分も内角に直球を投げたいと思っていた」

 自らに課したテーマは「腕を振る」だった。登板3日前に行う遠投。4月28日に西武ドームの外野グラウンドで通常90メートルの距離で行うところを100メートルに延ばし、思い切り腕を振った。前回4月23日のオリックス戦(京セラドーム)は勝利投手にはなったものの、自己ワーストの15被安打。遠投の距離を延ばすことでフォームを大きくし、球威、球の切れを出すのが目的だった。

 「腕を振る」ために、素早く修正もした。気温8度に降雨という悪条件の影響もあったのか、初回1死から4連打を浴びていきなり失点した。そこで「勢いのなかったフォームのテンポを速くしたことで、どの球種でも腕を振れた」。2回以降は許した安打は1本だけで、三塁を踏ませなかった。終わってみれば、8回1失点。奪三振は今季初の2桁、10を数えた。星野監督は「初回は39球も投げて心配したけど、試合をつくってくれるね」と評した。

 この日はまい夫人がスタンド観戦。さらに今オフにもメジャー挑戦する可能性があることで、ヤンキース、レンジャーズ、オリオールズ、インディアンスの4球団のスカウトが視察に訪れた。その前で、「いいフォームでいい球を投げられたのは大きい」。今季一番の手応えを口にしたエース。自身の昨季からの連勝は8に伸び、リーグ単独トップの4勝目。「らしさ」が戻ったことで、連勝街道はしばらく続きそうだ。

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