小川3連勝!「巨人と菅野投手に勝てたのはうれしい」

[ 2013年4月28日 06:00 ]

<ヤ・巨>ヤクルト先発・小川

セ・リーグ ヤクルト4―2巨人 

(神宮)
 また勝った。「ライアン」小川の完勝だ。4年の歳月を経て、再び菅野に黒星をつけた。無敗の新人対決を制した22歳は少しだけほほ笑んだ。

 「菅野投手に絶対負けたくなかった。最初は力を出し切ろうと。でも、途中から“勝ちたい”と気持ちが変わった」

 少年時代からの巨人ファン。「ずっと見てきたスター選手のチーム」が相手なのに加え、菅野との投げ合いがハートを熱くした。左足を高く上げる独特のフォーム。切れのある直球と変化球が低めに決まった。初回2死二塁。4番・阿部を外角ぎりぎりの直球で見逃し三振に斬ると、4回も阿部を4球全て内角で空振り三振だ。投げミスは全くない。ライアン投法の威力を見せつけた。

 4年前の初対決。まだトルネード投法だった創価大1年の小川は、菅野の東海大を5安打で完封した。あのノーラン・ライアンの著書「ピッチャーズ・バイブル」を読んでフォームを改造するのはその1年後だ。「私が指導者なら足は高く上げさせる」。足を高く上げるとリリースポイントも高くなり、打者から見えにくくなる。1メートル71と小柄な小川にとってはまさに金言。高い位置でリリースポイントを保つように努力した結果、制球力という副産物も得た。

 荒木投手コーチは説明する。「リリースポイントが一定してるから制球も常に安定している。それが凄い」。失点は追い風に乗った坂本の2ランだけで、制球は最後まで乱れない。7回を3安打2失点、巨人戦初登板初勝利で無傷の3勝目。この4年間、菅野以上に小川は進化していた。

 「巨人と菅野投手に勝てたのはうれしい。でも、戦いは続く。これからです」。ハイレベルの新人王争いの中、小川の目は前だけ見ていた。

 ▽44年ぶり ルーキーの小川(ヤ)が初登板初勝利から無傷の3連勝。ヤクルト新人投手の3連勝以上は11年に七條が4連勝して以来5人目。4月までに3勝は62年渋谷誠司、64年佐藤進、69年の藤原真に次いでチーム44年ぶり4人目の最多タイとなった。次回登板で藤原、11年久古、七條と並ぶ球団新人タイ記録の開幕4連勝に挑む。

 ▼ヤクルト・田中雅(小川を好リード)内にも外にも直球を投げられていたので、変化球が生きた。

 ▼ヤクルト・小川監督(小川について)新人であれだけ放ってくれたら言うことない。

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