阪神 能見で連勝止まった 割れた爪の影響、次回登板回避も

[ 2013年4月24日 06:00 ]

<中・神>左手を気にする阪神・能見

セ・リーグ 阪神3-15中日

(4月23日 ナゴヤD)
 やはり鬼門なのか…。4連勝で敵地・ナゴヤドームへ乗り込んできた阪神は、能見篤史投手(33)が中日相手に今季自己最短となる4回4失点KO。左手の爪が割れていることが投球にも影響しており、次戦先発登板が予想される29日の広島戦(甲子園)を回避する可能性も浮上した。試合もナゴヤドームでは球団ワーストタイとなる15失点の大敗で9連戦初戦を落とした。

 予期せぬ展開の連続に、左翼席の虎党も徐々に意気消沈していった。4連勝と上昇気流で乗り込んできたナゴヤドーム。猛虎ナインもまた、昨年の2勝9敗1分けをはじめ、鬼門と呼ばれて久しい敵地での雪辱を誓っていたものの、初回から劣勢に立たされた。

 まさかの始まりはエース能見の誤算だった。初回、先頭の大島に四球。1死一、三塁から和田に先制の左犠飛を許し井端にも2点目の中前タイムリーを浴びた。2回には8番・藤井に左中間スタンドへ運ばれ3点目を献上。4回には不運な判定もあって、大島に4点目となる左前適時打を食らった。5回の打席で代打を送られ、今季最短となる4回4失点KO。その舞台裏では、前回16日の巨人戦で割れ、懸念されていた左手爪の影響があった。

 「大分、爪を気にしていたしね。(初回、中西投手コーチがマウンドへ行ったのも)確認の意味があった。状態によっては(先発を)1回、飛ばさないといけないかもしれない」

 試合後、和田監督は険しい表情のまま言葉をつないだ。初回1死二塁からルナに二塁内野安打を許した際に、能見は一塁ベースカバーへ。中西投手コーチと土屋トレーナーが、慌ててマウンドへ駆け寄った。爪の状態と足に故障がなかったかを確かめ、そのまま続投。だが、裏を返せば、すでに不安を抱えての投球だった。次戦は中5日で29日の広島戦先発が予想されたが、これも不透明となった。

 頼れる男が姿を消せば、やはりチームは苦しい。5回から登板した2番手・久保田が8失点と大炎上。それでも9連戦の初戦とあって、ベンチはイニング途中で交代させることを選ばなかった。

 「今までこういう展開にはならなかったけどね。1敗は1敗。もう一回、切り替えてやっていくしかない」

 ナゴヤドームでは03年7月26日以来10シーズンぶりとなる15失点の大敗にも、指揮官は懸命に前を向いた。きょう24日からの残り8連戦を見据え、リリーフ陣は温存。あえて「捨て試合」をつくることで、反攻の態勢を整えた。それだけに、気がかりなのが大黒柱・能見の存在。ここまで踏ん張ってきた投手陣に、一抹の不安が残る夜となった。

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2013年4月24日のニュース