15年ぶり開幕3連勝!坂本 満塁一掃V打「打てて良かった」

[ 2013年4月4日 06:00 ]

<D・巨>開幕3連勝にナインとハイタッチする巨人・坂本(中央)

セ・リーグ 巨人10-8DeNA

(4月3日 横浜)
 巨人の坂本勇人内野手(24)が3日、DeNA戦で今季初の決勝打を放った。5回に3点を返して同点に追いつき、なおも2死満塁から走者一掃の右翼線二塁打。壮絶な打撃戦に決着をつけ、1分けを挟む開幕3連勝に貢献した。巨人の開幕3連勝は、国民栄誉賞を授与される長嶋茂雄終身名誉監督(77)が指揮を執った98年以来、実に15年ぶり。原巨人は開幕ダッシュで日本一連覇へ突き進む。

 押し出し四球を選ぶ気はなかった。5回、3点差を追いつき、なお2死満塁、フルカウント。坂本は見逃せばボールだった外角直球に飛びついた。その結果は、右翼線で弾む走者一掃の勝ち越し二塁打。4時間11分に及んだ壮絶な打撃戦で、今季初の決勝打を放った。

 「開幕からそれまで全然チャンスで打てていなかった。あの打席は打ちたいと思っていた。いい場面で打てて良かった」

 開幕戦から前打席の4回1死三塁まで、得点圏では6打席連続凡退。うち3つが併殺に終わっていた。開幕3連戦で打率・364、1本塁打という一見順調な滑り出しも、打点はソロ本塁打による1点だけ。11年にリーグ最高の得点圏打率・361をマークしたが、昨季は同・286でリーグ8位。勝負強さを売りにする男にとってこれ以上の凡退は屈辱だった。

 小学6年時の家族旅行で渡米し、シアトルのセーフコ・フィールドで初めて世界の野球に触れた。2度目の渡米となった3月のWBCでは世界の厳しさを味わった。3番と期待された打順はチーム構想で1、6、5番と前後した。「凄く悔いは残った。でも凄く勉強になったし、凄い経験をさせてもらった」。そして先を見据え続けた。「次も絶対選ばれたいし、その努力をする。その時には中心にいたい」。主役を張れなかった世界舞台にひとたび別れを告げ、日本一連覇に集中する。

 チームは1分けを挟んで3連勝。開幕3連勝は98年以来15年ぶりだ。「厳しい試合が続くが、わずかに上回っている」と原監督。開幕前に坂本を野手陣のリーダーに指名。前日は打撃投手役も務めただけに「勇人らしい、しぶとい打撃ができた」と目を細めた。接戦続きだったチームの中で、坂本が本来の勝負強さを発揮すれば、対戦相手を突き放せる。「もう少し仕事したいなという気持ち。もっともっと勝利をプレゼントしたい」。ようやく持ち味を出した男は連勝街道をにらんだ。

 ≪長打はプロ初≫坂本(巨)が5回に満塁走者一掃の勝ち越し二塁打。自身満塁本塁打は通算4本あるが、満塁走者一掃の長打はプロ入り初めてだ。また、08年から昨季までの4月の打率は・298→・376→・324→・333→・326とシーズン序盤によく打っている。これでチームは1分けを挟み3連勝。巨人の開幕3連勝は98年以来15年ぶり。原監督にとっては、これまで11年の2連勝が最多で3連勝は初めてだ。過去、巨人は開幕3連勝した15度のうち9度優勝しており、V確率は60%。4日も勝って4連勝に伸ばすと、9度のうち8度優勝でV確率は89%に跳ね上がるがどうか。

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2013年4月4日のニュース