ライアン小川 初勝利一番乗り 菅野も大谷も藤浪も飛び越した

[ 2013年4月4日 06:00 ]

<広・ヤ>小川監督(左)と握手するヤクルト・小川をつば九郎も祝福

セ・リーグ ヤクルト6-2広島

(4月3日 マツダ)
 小川監督との「ダブル小川」での記念撮影。カメラのフラッシュに照らされたヤクルト・小川はウイニングボールを手に満面の笑みを浮かべた。

 「うれしいです。(彼らは)タイプも違って体も大きいけど、心の面で強いハートで立ち向かっていって、そういう選手に負けないようにしたい」。巨人・菅野、阪神・藤浪、日本ハム・大谷らの大型新人が注目を浴びる中、プロ初登板でルーキー一番乗りのプロ初勝利を挙げた。

 「緊張した」という初回。いきなり先頭の菊池にストレートの四球を与えたが、ここからが並の新人ではなかった。宮本から「うまく投げようとせずに、しっかり腕を振れ」と助言を受け、最速147キロの直球とカットボール、ツーシーム、フォークの多彩な変化球で広島打線を翻ろう。6―0の7回に失策絡みで2失点し、2死満塁としたところで久古の救援を仰いだが、6回2/3を5安打で自責0、6奪三振の快投を見せた。

 1メートル71。小柄な体をカバーするのが、大リーグ最多奪三振記録を持つノーラン・ライアン(現レンジャーズ球団社長)をほうふつさせる左足を高く上げる独特なフォームだ。股割りができる柔軟性がそれを可能にするが、イチロー(ヤンキース)も行う「初動負荷理論」を取り入れた効果である。柔らかい筋肉をつくり、肩や股関節の可動域を広げることを重視したトレーニング方法で、創価大時代は八王子市内の寮から町田市内のジムまで往復3時間かけて練習後に毎週通い、しなやかなフォームを築いた。

 くしくもこの日が、母・弘子さんの59歳の誕生日。スタンドから観戦した母に最高のプレゼントをした孝行息子は「勝利をプレゼントしたいと思っていたのでうれしい」。これでチームも4連勝。入団当初、中継ぎで起用する構想だった新人右腕が、先発としての実力を一発で示した。

 ▼ヤクルト・宮本(2適時打。若松勉を抜いて通算2063試合出場の球団最多記録を更新)小川が初登板初先発だし先に点を取ってやることができてよかった。

 ◆小川 泰弘(おがわ・やすひろ)1990年(平2)5月16日、愛知県生まれの22歳。成章3年時に21世紀枠でセンバツに出場し1回戦の駒大岩見沢戦では完投勝利も、2回戦で平安に敗れた。創価大では東京新大学リーグで36勝3敗、防御率0・59で「ドクター・ゼロ」の異名を取った。昨年、ドラフト2位でヤクルトに入団した。1メートル71、80キロ。右投げ右打ち。

 ≪七條以来13人目≫小川(ヤ)が広島戦でプロ初登板初先発初勝利。ヤクルト新人投手の初登板勝利は、11年6月28日巨人戦の七條(先発)以来13人目。先発は8人目。これでヤクルトでは10年中沢(先発)、11年久古(中継ぎ)、七條に次ぎ、1軍登板した新人は4人連続で初登板勝利となった。

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2013年4月4日のニュース