なぜ今?大鵬さん死去で悔い「生前授与を」 松井氏は引退直後に発案

[ 2013年4月2日 08:19 ]

00年日本シリーズ第6戦、ダイエーを破って日本一に輝いた長嶋監督と松井
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 松井、長嶋両氏の国民栄誉賞ダブル受賞に球界、スポーツ界は祝福ムードに包まれたが、現役を引退したばかりの松井氏と引退から39年たった長嶋氏がこの時期に肩を並べての受賞には不明確さも残った。

 政府関係者によると、安倍首相がまず松井氏への授与を発案したのは、松井氏がニューヨークで引退表明した昨年12月27日(日本時間28日)直後の29日で、東京電力福島第1原発視察に向かう新幹線の車中だったという。年明けから官邸を中心に本格検討に着手。松井氏への授与には「日米の絆」を掲げる首相の思いも込められていたようで、周辺は「理由は日米だ。日本だけでなく、ニューヨーク市民にも人気があった」と解説する。

 また、1月中旬、元横綱大鵬の納谷幸喜氏が死去した。政府は国民栄誉賞の授与を決めたが、「首相は生前に授与されなかったことを悔やんでいた」(政府筋)という。このころ長嶋、松井両氏へのダブル授与のアイデアが浮上した可能性がある。長嶋氏に近い球界関係者も、国民栄誉賞の打診があったのは、亡くなった元横綱大鵬が2月に授与された後だったという。関係者は「生きているうちにということが根底にあったようだ。長嶋さんは安倍首相のお父さん(故安倍晋太郎元外相)ともつきあいがあった」と推測した。首相は3月23日夜、都内の日本料理店で巨人・原監督らと会食し、ダブル受賞内定を伝えた。

 政府関係者は最終的に「そのときどきの首相の腹づもりで決まる」。それが実情との見方も否定できない。

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2013年4月2日のニュース