プエルトリコ　名捕手輩出のワケ　日本球界には大洋ホエールズの人気者も

大洋で活躍したポンセもプエルトリコ出身

ＷＢＣ決勝トーナメント準決勝 日本－プエルトリコ

（サンフランシスコ）
　【プエルトリコＱ＆Ａ】
　――プエルトリコは国じゃないの？

　「米国の自治領です。キューバ、ドミニカ共和国と同様に西インド諸島に位置する島で、面積は８８７０平方キロ。鹿児島県とほぼ同じ大きさで、人口３７４万４０００人（２０１２年推定）。首都はサンフアン。プエルトは“港”、リコは“豊かな”の意味です」

　――どんな地域？

　「ラム酒生産や観光が主な産業です。観光ではコンダド・ビーチや、世界最大のアレシボ天文台などが有名。スペイン語と英語が公用語ですが、住人の大多数はスペイン語しか話しません」

　――野球は盛んなの？

　「野球が唯一プロリーグのあるスポーツ。大リーグの公式戦も実施されることがあり、最近では１０年にマーリンズ―メッツ戦が開催されました。また、米国自治領のためアマ選手は大リーグのドラフト対象になります。バスケットボール、ボクシングなども盛んです」

　――有名な選手は？

　「最も有名なのは殿堂入りした元パイレーツのロベルト・クレメンテ外野手です。通算３０００安打をマークし、１２年連続ゴールドグラブ賞。１９７２年にニカラグア大地震の救援物資を送り届ける飛行機の墜落事故で死亡したため、チャリティーに貢献した選手を表彰するロベルト・クレメンテ賞が創設されました。外野手では他にヤンキースで４番を務めたバーニー・ウィリアムズが有名です」

　――選手の特徴は？

　「名捕手を多く輩出しています。イバン・ロドリゲス（元レンジャーズ）ホルヘ・ポサダ（元ヤンキース）サンディ・アロマー（元インディアンス）ら。モリーナ３兄弟（ベンジー、ホセ、ヤディエル）も有名で、ホセとヤディエルが今大会に出場。ダルビッシュの女房役ソトも出身です」

　――名捕手が多い理由は？

　「諸説ありますが、北米のリトルリーグが１２～１３歳から盗塁ＯＫなのに対し、プエルトリコは７～８歳から可能なため技術の発達が進むと指摘する人もいます」

　――日本球界で活躍した選手はいる？

　「ロマン（ヤクルト）アルバラード（元ＤｅＮＡ＝当時の登録名はジオ）の２投手に加え、野手では０３年ダイエーの日本一に貢献したバルデスが控えにいます。出身選手ではロッテのゴンザレス、元西武のボカチカら、懐かしいところでは元大洋のミヤーン、ポンセらがいます」