オランダ サヨナラ!ミューレン監督“シスコ凱旋切符”

[ 2013年3月12日 06:00 ]

<オランダ・キューバ>9回1死満塁、サムスの中飛で三走・ジョーンズが生還、サヨナラ勝ちにベンチを飛び出して喜ぶオランダナイン

WBC2次ラウンド1組 オランダ7―6キューバ

(3月11日 東京D)
 傷だらけの勝利。でも、みんなが笑っていた。オランダが、全員で米国行きの切符をつかんだ。同点の9回、1死満塁からサムスの中犠飛でサヨナラ勝ち。3大会目で初めて準決勝に進出した。ナインは本塁付近で優勝したかのような大はしゃぎ。ヘンズリー・ミューレン監督は、感極まった表情を浮かべながら選手たちと抱き合った。

 「オランダ野球史の中で一番の試合だった。本当に一つの集団になった」。まさに非常事態だった。主力のバーナディナ(ナショナルズ)がケガで欠場。試合中には主砲バレンティン(ヤクルト)が初回に内転筋を痛め、3回から交代。5回にはデカスターがアキレス腱を痛め交代した。それでも下を向かなかった。

 試合前に指揮官は「(試合後も)プレーが続くか、さよならか。お祝いしたいか?それともチームに戻りたいか?」とハッパをかけた。初めてリードを許した8回にも、諦めなかった。ブレーブスの正遊撃手候補シモンズが起死回生の同点2ラン。本塁後方で全員の出迎えを受けた。

 10年からジャイアンツの打撃コーチを務めるミューレン監督にとって、4強の舞台は本拠地のサンフランシスコ。「ジ軍の一員として戻ることができてうれしい」。94~96年にプレーした日本の地で、母国躍進の立役者に。12日は、10日に4―16で大敗した侍ジャパンへ雪辱に挑む。

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2013年3月12日のニュース