侍ジャパン“足攻”いける!ブラジル正捕手5盗塁許す

[ 2013年2月27日 06:00 ]

<オリックス・ブラジル>スタンドで視察する阿部(中央)や(左前から)炭谷、相川、井端、稲葉ら日本代表ナイン

 侍ジャパンの選手、スタッフが26日のオリックス―ブラジル戦を視察した。山本監督以下、7人のコーチに加え、選手は主将の阿部ら17選手がネット裏に陣取り、1次ラウンド初戦の相手となるブラジルに熱視線を送った。橋上戦略コーチはストップウオッチを持参。山本監督もメンバー表を手に打者の特徴をメモにとった。

 「全体の動きを見せてもらった。チーム状態を見ました」

 指揮官の言葉は少なかった。だが、侍メンバーは4回までの短い視察で、弱点と注意点、そして攻略法を見いだしていた。

 ≪守備力≫捕手の平田ブルーノ(東芝)の緩慢さが目についた。昨年11月の予選ラウンドではヤン・ゴメス(インディアンス)が正捕手を務めたが、本大会出場を辞退。代役の捕手として代表初出場となったが、5盗塁を許した。

 高代内野守備走塁コーチ「捕球してから時間がかかる。スローイングも良くない」

 日本戦に先発が決まったフェルナンデスが1・1秒台のクイックを見せたが、捕手が刺せない。

 ≪投手力≫フェルナンデスは球速140キロに満たなかった。制球もつかず、ボール先行。7投手で計14四球だった。

 橋上戦略コーチ「投手は制球が急に良くなることはない。フェルナンデスもボールは動くが、制球は良くない」

 梨田野手総合コーチ「(昨年)ヤクルトで投げた時と比べ、スピードがない感じを受けた」

 右肘や肩の違和感で、調整が遅れているとの情報もある。投手全体の制球も悪く、バッテリーの穴ははっきりした。

 橋上コーチ「基本的には(四球を)選んで、走るという形が効率が良い。投手の制球が悪いということを頭に置いた攻撃を考えればいい」

 ボール球を見極め、塁に出たらかき回す。攻撃面での得点パターンは明確になった。

 ≪攻撃力≫警戒マークをつけたのは、1番のオルランドの足だ。米マイナー通算158盗塁で、3回に三塁強襲の一打で打球が転々としている間に二塁を陥れた。

 阿部「1番がメチャクチャ足が速い」

 田中「1番の足が速いことだけは確認した。(研究は)これから」

 オルランドを封じることができれば、脅威になる打者はいない。東尾投手総合コーチは「相手の弱点を突くことばかり考えるより、自分のいい球を投げさせる」と言った。油断は禁物だが、恐れる相手ではないことは選手の自信の満ちた表情から明らかだった。

 ▼村田善則スコアラー 過去のビデオを見ても1番打者が出塁する形が得点パターン。いかに封じるかになる。捕手は平田以外にもう1人登録されたと思うので、その選手の動きも見たい。

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