WBC3連覇へ 優勝指揮官・原監督が説く「孤独の中で戦うことはするな」 

[ 2013年2月23日 07:03 ]

09年大会で連覇を達成、優勝トロフィーを掲げる原監督

 3連覇へ向けて、純国産チームで臨む侍ジャパンはいかに世界の強豪を迎え撃つか。前回大会で指揮官としてチームを見事優勝に導いた巨人・原辰徳監督(54)に聞いた。

 侍の魂は、決して孤独であってはならない。世界の舞台、異国での戦い、計り知れない重圧…。それを、一人きりで背負う必要はないのだ。原監督は言う。

 「孤独の中で戦うことはしないで、みんなで戦う。(他の選手に)ミスが出たらカバーして(一緒に)心を痛め、喜びの時は自分のことのように喜び…。そんな気持ちで臨んでほしいね」

 日本球界のトップ選手が集結した侍ジャパン。今回は純国産だが、原監督が率いた09年はイチロー、松坂ら大リーガーが中心にいた。何より大切なテーマは「融合」だった。「それは監督だけではない。スタッフ全員がそう思うこと。チームワークであったり、和、団結力。それが選手の実力プラスアルファになる」。混成チームがゆえの難しさを、いかにプラスに変えるか。侍としての絆。今大会もチーム全体で太い絆を磨き上げていかなければならない。

 もちろん重圧はある。09年3月18日、サンディエゴのペトコ・パークでのキューバ戦。負ければ2次ラウンド敗退となっていた試合を、原監督は今も忘れることができない。「(試合後に投手コーチの)山田さんと抱き合ったからね。異様な雰囲気の中で戦った。独特の喜び、ある種の段階としての満足感があった」。この試合を5―0で勝利し、ロサンゼルスでの決勝ラウンドへ進んだ。今回、ベスト4に残ってサンフランシスコに行くためには、3月8日からの2次ラウンドを勝ち抜く必要がある。

 原監督が代表監督就任会見を行った11年11月12日、同時に「侍ジャパン」の愛称も発表された。その時、指揮官は「最強の侍ジャパンをつくる」と宣言した。「日本代表は野球界の憧れであり誇り。1試合、1プレーを大事にやってほしい」。その積み重ねの先に、3度目の頂点が待っている。

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2013年2月23日のニュース