球児改め「QJ」 開幕まで同一リーグに見せません!

[ 2013年2月14日 06:00 ]

キャンプ初日にブルペン入りし、投球練習をするカブス・藤川

カブス キャンプイン

(2月12日 米アリゾナ州メサ)
 「球児」あらため「QJ」です!阪神からFA宣言し、カブスに移籍した藤川球児投手(32)が12日(日本時間13日)、キャンプインした。新しい背番号11のユニホーム姿を披露した右腕は、早くも「QJ」などの愛称で呼ばれるなどチームメートとも談笑。セットアッパーとして期待する首脳陣は、オープン戦での登板数を8試合程度に限定することを明かし、同一リーグ相手には新戦力を隠す方針を決めた。

 藤川の表情には笑みが絶えなかった。待望のキャンプ初日。午前7時、気温1度という寒さの中で球団施設に入ると、室内で体を動かした後、9時半から全体練習に参加した。バント処理練習では軽快な動きを見せ、ブルペンでは、変化球を中心に38球を投げた。

 「今は少しずつ成長できている。何をやっていても楽しい。やりたいこともたくさんできる」

 高橋らチームメートとも談笑。4日から自主トレを行っていることもあり、すでにニックネームも定着しつつある。「アルファベットのQとJで“QJ”。その方が呼びやすいと。日本にいた時も外国人選手がそう呼んでいた。(カブスに)来たら、もうあだ名が付いていた。あと“GQ”とか“クジ”とか」

 米国では元NBAのスーパースター、マイケル・ジョーダンが「MJ」、ヤンキースのサバシアがファーストネームとミドルネームから「CC」と呼ばれるなど、アルファベット2文字は親しみやすい。日本人の名前は発音が難解だけに、「QJ」が定着すれば、同僚やファンからも愛される存在になるだろう。

 球団の期待も大きい。ある首脳は、オープン戦の起用法について「彼のことは隠したい。(登板は)8試合程度」と明言。対戦相手は同一リーグを極力避け、ア・リーグ中心とする方針だ。過去の1年目の日本人救援投手では、07年の岡島(レッドソックス)が11試合、10年の五十嵐(メッツ)が13試合に登板。異国の打者や環境に慣れさせるため、最低10試合の試運転が与えられてきた。しかし、藤川の特徴でもあるフォークは、メジャーでは投げる投手が少ないこともあり、開幕までは情報を隠す戦略だ。

 既にデール・スウェイム監督は「8回を投げることになる」とセットアッパーに指名。日本で通算220セーブを挙げた実力は分かっている。「故障しないことを一番に考えたい。一つ一つが新しい一歩。とにかく一歩を大事にしながらやりたい」と藤川。そう語る表情に、阪神時代のような気負いは一切なかった。

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