張本氏 中田に愛の喝「最低30本。3割2分は打たないと」

[ 2013年2月13日 06:00 ]

張本氏(左)から指導される日本ハム・中田

 日本ハムOBで通算3085安打の張本勲氏(72=スポニチ本紙評論家)が12日、沖縄・名護キャンプで中田翔内野手(23)を熱血指導。同郷の後輩に「30本、3割2、3分以上」の数字を厳命した。また、通算317勝左腕の鈴木啓示氏(65=スポニチ本紙評論家)も名護を訪れて中田を激励。14日、WBCの侍ジャパン代表候補合宿(宮崎)のためチームを離れる若き大砲は、3000安打&300勝の偉人たちの言葉を深く胸に刻み込んだ。

 張本氏の熱血指導はすぐに始まった。中田の姿を見つけると、激しく鋭い身ぶり手ぶりで約10分間。ステップ幅の重要性などを熱く説いた。

 「中田は実戦になると、ステップが広くなる。これだと膝に余裕がなくなって球を鋭く強く叩けない。長い目で見たらいい成績は残せない」

 張本氏が指摘したのは一本足打法で上げた左足の着地点だった。踏み込んだ左足と軸となる右足との距離が広くなるほど下半身の踏ん張りは利かず、打球に力は伝わりにくくなる。どの位置なら一番力が伝わるのか、張本氏はバットを地面に置いてステップ幅をしっかり確認させた。

 孫のような年齢の中田は放っておけない存在なのだ。広島出身で、大阪の高校(浪商=現大体大浪商)を経て東映(日本ハムの前身)に入団した道のりは、同じ(中田は大阪桐蔭出身)。昨季は球団史上3人目となる全試合4番で先発出場したが、張本氏が東映時代の63年に初めて記録したのも同じ23歳の時だった。

 「中学時代にやんちゃだったのまでそっくり。新聞だっていつも中田の記事から読む」。だから期待も大きい。昨季は24本塁打したが「パワーと相手の投げ損じでもそれぐらいは打てる。今の力なら最低でも30本。3割2、3分は打たないと笑われるぞと本人にも言った」と愛の喝を入れた。その後のフリー打撃は逆風の影響で44スイングで柵越えゼロも「きょうは良かったねぇ。(ステップ幅を)意識して打っていた」とうなずいた。
 居残りティー打撃、素振りとバットを振りまくった中田は「本当にありがたいです。そのあたりをしっかり極めていきたい」。大先輩からの金言を胸に、いよいよ侍ジャパン代表候補合宿の地へと乗り込む。

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2013年2月13日のニュース