長嶋さん 菅野に一目ぼれ「12、13勝はするんじゃないかな」

[ 2013年2月11日 06:00 ]

巨人・菅野(右)の投球練習を見守る長嶋終身名誉監督

 青空の下のブルペン。巨人・長嶋茂雄終身名誉監督は、ずっとニコニコ顔だった。ドラフト1位・菅野(東海大)の投球に目を細め、時折驚いたような表情も見せる。

 「バーンって勢い良く行け!」。身ぶり手ぶりを交え、ワンシームを投げるように要求。その切れ味の鋭さに「もう一丁!」と高い声を上げ、さらに「カーブ、カーブ」と曲がり具合も確認した。計46球。後ろ、横から熱心に見つめ続け「いいねえ」と何度も繰り返した。

 「いいよなあ。腕が長いし、真っ向からね。何と言っても制球がいい。カーブも抜群ですね」。ミスターも思わず一目ボレ。賛辞は止まらない。「並大抵のものじゃない。悪くても12、13勝はするんじゃないかな」と、2桁白星も予告した。

 昨年に続く宮崎キャンプ訪問。01年までユニホーム姿で指揮を執っていた場所で、当時をほうふつさせるように精力的に動き回った。ウオーミングアップの途中で球場に到着。選手が集まると「頑張って。ケガしないでね」。そして「さあ行こう、さあ行こう!」と2度大声で繰り返し、左手を上げてシャウトした。選手も「おう!」と応えた。球団が統計を取り始めた05年以降、最多タイの3万8000人のファンが集まったスタンドからも「ミスター!」の大声援が湧き起こった。

 ブルペン視察後は、2軍調整中の小笠原の元へ。「軸で回るんだ」と熱血指導を続けた。過去、坂本、長野ら、長嶋氏が体に触れて「なでなで」した若手は大ブレークした。10日は菅野と握手。偶然にも乗っていたハイヤーのナンバーは、菅野の背番号と同じ「19」だった。04年に脳梗塞で倒れた影響でまひしていた右手も「かなり回復している」(関係者)という。今後は始球式を務める可能性もある。元気なミスターが南国・宮崎に笑顔と太陽を運んできた。

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