中田を先発テスト 視察の浩二監督、強化試合の「どちらかで」

[ 2013年2月3日 06:00 ]

視察に訪れた侍ジャパンの山本監督(左)と対面し、ひげを触られる日本ハム・中田

 思わず力んだ。打撃ケージの後ろには山本監督ら侍ジャパン首脳陣4人が並ぶ。日本ハム・中田はファーストスイングでバットを折り計39スイングで場外弾を含む柵越え4発を披露した。

 「自然と力が入ってしまった。力を入れないつもりでも力んでしまってる部分があった」

 無理もない。誰よりも熱く侍ジャパンへの思いを抱く中田。視察に訪れた山本監督の視線をひしひしと感じた。フリー打撃は、1組目の予定を急きょ3組目へ変更。北谷の中日キャンプに寄ってから駆けつけた立浪打撃コーチの到着を待つためだった。それも期待の裏返し。打ち終わると、その立浪コーチから約20分間にわたって熱血指導を受けた。軸足(右足)の使い方についてアドバイスを受けて「まだ自分の打撃フォームが固まっていない。直さないといけない部分がある。宮崎(の代表合宿)まで時間があるし」と意欲的だ。

 そんな中田の姿に山本監督は「いいところを見せようと力んでいた。稲葉と比べたらまだ粗さはあるが、遠くへ飛ばす魅力はある」と評価する。32スイング目の一撃は左翼後方の防護ネットを越す140メートル場外弾。栗山監督には一塁の守備力も確認し、宮崎合宿中に行う強化試合(17、18日)での起用法についてこう言及した。「2試合どちらか先発で使う。守備も左翼だけでなく一塁もみたい。フル出場してもらうことも考えてる。持ち味を発揮してほしい」。28人の最終メンバー入りへ向けた文字通りの生き残りテストである。

 数少ない右の大砲。その力をフルに発揮できれば、大きな戦力になる。居残り練習では立浪コーチの言葉を意識してロングティー。黙々と打ち込む中田の顔は、侍そのものだった。

 ▼立浪打撃コーチ 右膝がステップした時に、左足について(投手方向に)流れてしまう。そうなると速球には詰まるし、変化球は当てただけになる。ボールを待つ形をとれれば、本塁打王も、打率3割も打てる。

 ▼日本ハム栗山監督 将来の日本の4番を、という思いで中田に昨年4番を打たせた。その意味からWBCは重要。山本監督も分かってくれていた。何か大きなものを持って帰ってほしい。

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2013年2月3日のニュース