大谷 理想“岸カーブ”学びたい!緩急差50キロの大きな武器に

[ 2013年1月28日 06:00 ]

日本ハム新人合同自主トレで鍵谷(右)と投げ込む大谷

 日本ハムのドラフト1位・大谷翔平投手(18=花巻東)が27日、千葉県鎌ケ谷市での新人合同自主トレで2度目となるブルペン投球を行った。立ち投げでカーブ18球、スライダー4球を交えて計40球。大きく縦に割れるカーブで緩急をつけた投球を心掛ける160キロ右腕は理想のカーブを投げる投手に西武・岸孝之(28)を挙げた。合同自主トレ最終日の29日には捕手を座らせてブルペン投球を行う。

 24日の初ブルペンから中2日。大谷の2度目のブルペンは変化球主体となった。初球から3球連続でカーブ。セットポジションから投げた全40球中、「腕が縦にしっかり振れるようになる。フォームがまとまりやすい」とカーブを18球投げ込んだ。直球を3球続けることはなく、立ち投げながら緩急を意識した投球だった。

 カーブにはこだわりがある。「カーブで(直球との)球速の差をつけられれば投球の幅が広がる」。スライダー、フォーク、チェンジアップの変化球も操るが、最速160キロの直球と緩急をつけるには大きく縦に割れるカーブが有効だ。直球の軌道に近い他の変化球より打者の目線をずらすこともできる。二刀流に挑戦する黄金ルーキーらしく「自分も打席では(緩急の)幅がある投手は打ちづらい。自分がやっていて嫌だと感じることは、投げる方で自分もやっていく」と独自の視点で説明した。

 目標とするカーブの使い手は、西武・岸だ。同じ東北出身で、同じ背番号11の右腕に注目したのは08年の日本シリーズ。大きく縦に割れるカーブを軸にした投球で巨人の重量打線を相手に14回2/3を無失点に抑えた。「凄く印象に残っている。(自分も)ああいう投球ができれば」。同じパ・リーグで対戦機会も多いだけに「見て、学んでいければいい」とも話し、1軍に定着できれば、花巻東の先輩・菊池に仲介役も頼むこともできる。

 もちろん、直球の威力、精度も増している。この日の投球を受けた松本ブルペン捕手は「想像したより手元で伸びる。140キロ台中盤は出ている」と驚く。160キロの直球と110キロのカーブなら緩急差50キロ。プロの強打者でも簡単に対応はできない。

 ◇主なカーブの名手◇

 ☆沢村 栄治(巨人)落差の大きい「懸河のドロップ」。日米野球でベーブ・ルースらから三振を奪う。

 ☆堀内 恒夫(巨人)直球と変化の大きなカーブを武器に、高卒1年目で16勝を挙げ新人王に輝く。

 ☆工藤 公康(西武ほか)躍動感のあるフォームから曲がりの鋭いカーブを放つ。実働29年は歴代最長。

 ☆星野 伸之(オリックスほか)直球は130キロ台ながら、スローカーブとの球速差で打者を幻惑。通算2041奪三振。

 ☆桑田 真澄(巨人ほか)縦に大きく割れる「レインボール」を武器に通算173勝。大リーグでも使用した。 

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