桑田氏 東大に「頭球術」伝授 万年最下位脱出へお手本61球

[ 2013年1月28日 06:00 ]

東大野球部練習でマウンドを取り囲んだ部員たちの前で投球を披露する桑田氏

 巨人、パイレーツで活躍し、今月から東京六大学野球の東大の特別コーチに就任した桑田真澄氏(44)が27日、東京都文京区内の同大グラウンドで初指導を行った。マウンドから61球のお手本を実演し、メジャー時代にイチロー外野手(39=ヤンキース)を空振り三振に斬ったカーブ「レインボール」も披露。約90分間の講義も実施し、今春リーグ戦で31季ぶりの最下位脱出を目指す赤門軍団に、桑田氏直伝の「頭球術」が伝授された。

 午前9時前。ウインドブレーカーに身を包んだ桑田氏が、東大球場に姿を見せた。まずはノックバットを握り約90分間、選手を左右に振った。続いてショートのポジションでグラブさばきを披露し、マウンドでは61球の投球を実演した。5時間30分の初指導。終始晴れやかな表情だった。

 投球中には、選手からどよめきの声が上がった。外角低めへの抜群の制球力を披露し、レインボールと呼ばれた縦に大きく割れるカーブも7球交えた。直球ではきれいな縦回転、スライド、シュート気味と投げ分けた。リリースポイントで指の力の入れ方を工夫するだけで「直球も3種類の変化球になる」とハイレベルな技術を伝授した。

 昨年11月に就任した浜田一志監督が、就任直後に明大OBの今久留主成幸氏を特別コーチとして招へい。今久留主氏から、PL学園時代にバッテリーを組んでいた桑田氏を紹介され、今回の指導が実現した。東大は現在、30季連続で最下位に沈み、46連敗中。「(リーグ戦期間中も)時間があるときにはここに来て、彼らと練習したい。うまくなって、試合に勝って、野球の本当の楽しさを味わってもらいたい」。再建に向け特別コーチに就任した桑田氏は全面協力を約束した。

続きを表示

この記事のフォト

2013年1月28日のニュース