巨人 新人大累 イチローと同等のタイム「飼っていた犬より速い」

[ 2013年1月11日 12:16 ]

ダッシュする巨人・大累

 とにかく速いものが巨人・大累は好き。「一流になったらボルトと共演したい」「いつかポルシェに乗りたいです」。9日にはフェラーリのエンブレム入りのバッグを手に意気揚々の入寮を果たした。

 強肩と快足が売りの内野手。50メートル走は手動計測で5秒7をマークしたこともある。右打者ながら一塁到達タイムは3秒8。左打者のヤンキース・イチローが平均3秒7~8といわれるだけに、驚きのタイムといえる。

 チームの期待も大きい。山下哲治スカウト部長も「足と守備は即戦力。藤村と勝負しても勝つかもしれないよ」と11年の盗塁王に匹敵すると太鼓判。遠投100メートルの強肩と合わせて身体能力の高さを武器に、二塁のレギュラーを虎視眈々(たんたん)と狙う。

 どこまでもスピードにこだわるひょうきん者で、「飼っていた犬より速い」と豪語する。道都大1年の時まで飼っていたコーギー犬の「ラリー君」と競走して勝ったというのだ。そんな姿勢は趣味でも一緒。「カーレースのゲームでも選ぶのは必ずスポーツカーですね」と力を込める。エピソードは他にもある。

 全国でも数少ない「大累家」は、実は宮城県の伊達藩の流れをくむ武士だという。主君を守るために毒味役を務め、ときには自らの命を犠牲にする覚悟で任務にあたった。そんな祖先と同じように、大累もグラウンドではチームを勝利に導くためにどんな役割も命懸けでこなしていく。

 プレーではバントなど小技を磨き堅実に生きる道を探っていく。「一日でも早く東京ドームで走り回る姿を見せたい」。駒大苫小牧では楽天・田中の2年後輩。「いつかは田中さんと対戦したい」。そんな夢もすぐにかなえられる。

 ◆大累 進(おおるい・すすむ)1990年(平2)8月31日、北海道札幌市生まれの22歳。札幌西岡小3年から野球を始める。駒大苫小牧では1年秋からベンチ入りし、2年秋で遊撃手のレギュラーも甲子園出場はなし。3年夏の南北海道大会は8強。道都大では1年春からリーグ戦出場。3年秋に首位打者。家族は両親と姉、兄。1メートル75、70キロ。右投げ右打ち。

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2013年1月11日のニュース