中田 自らジャイアン襲名へ 4番、日本一は“俺のもの”

[ 2013年1月8日 06:00 ]

ノックを受ける日本ハム・中田

 「ジャイアン」襲名だ。日本ハムの中田翔内野手(23)が7日、大阪府吹田市内のグラウンドで自主トレを公開。自らのニックネームに人気漫画「ドラえもん」に登場するガキ大将「ジャイアン」を提案した。昨季全144試合で4番に座った若き主砲は、今季も全試合で4番を務めることを宣言。日本一奪回のため、欲しいものは、ジャイアンばりに「俺のもの」にしてみせる。

 高校時代から「怪物」と騒がれた中田が、今季はあのガキ大将と同じように大暴れする。松井氏が「ゴジラ」、長嶋氏が「ミスター」と呼ばれたように、大打者には誰もが親しまれる呼び名がある。自身の希望を聞かれると「ジャイアンかな」と間髪を入れず答えた。

 ジャイアンこと剛田武はガキ大将のイメージが先行するが、実は面倒見がいい。「若いやつがチームに早く溶け込めるように」と中田も1軍に昇格した後輩を食事に誘うなど親分肌なところがある。さらに力が強く、運動が得意で、歌うことが好きな点など、似ている部分は多い。すでに球界ではヤクルト・赤川が「ジャイアン」と呼ばれているが、本家ジャイアンは「おまえのものは俺のもの、俺のものも俺のもの」が信条の欲深き男。となれば、中田も赤川から呼び名を奪ってしまうかもしれない。

 中田が最も執着するのが「4番」の座。昨季守り抜いた場所を「初めと違ってこだわりが出てきた。他の選手に4番を打たせようという気はない」とこちらも「俺のもの」を強調。信頼してくれる栗山監督や先輩たちの期待に応えるために、年末年始も無休でトレーニングを続けてきた。「思った以上に動けていた」と年末にはフリー打撃を開始するなど仕上がりも上々だ。

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向け、2月15日からは侍ジャパンの候補合宿も始まる。33人から28人に絞られるサバイバル合宿。メンバー入りへアピールが必要な立場だが「“ここで打たないと呼んでもらえない”とか変に考えず、無理なら自分の力不足と思って自然体でやりたい」とこの点だけは謙虚に話した。

 この日は大阪桐蔭の先輩・西岡らとキャッチボールやノックで汗を流した。「(本塁打)20本以上打ったからって調子にのるなよ」と西岡からくぎを刺され、肩をすくめて苦笑いを浮かべる様子は、まるでジャイアンが母ちゃんにお仕置きを受ける場面のようだった。「♪俺はジャイアン ガキ大将 天下無敵の 男だぜ」。「怪物」改め「中田ジャイアン」が目指すは、天下無敵の4番だ。

 ▽ジャイアン 藤子・F・不二雄氏の漫画「ドラえもん」に登場するガキ大将で、本名は剛田武。妹はジャイ子。「おまえのものは俺のもの。俺のものも俺のもの」と自己中心的な考え方で、周囲からは恐れられる。歌うことが好きだが、大の音痴。運動は得意で草野球ではチームの中心選手。勉強は苦手。同級生のスネ夫と組み、のび太をいじめることが多いが、時には「心の友よ」と、友達思いの行動を取ることもある。

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2013年1月8日のニュース