自殺の趙成ミン氏に何が…暴力沙汰で再契約断念「日本で指導者の勉強したい」

[ 2013年1月7日 06:00 ]

96年に巨人に入団、通算11勝を挙げた趙成ミン氏

 96年から02年まで巨人に在籍した元投手、趙成ミン氏(39)が6日午前5時半ごろ、韓国ソウル市内のマンションのトイレで首をつって死亡しているのを交際女性(40)が発見した。警察は自殺とみている。趙成ミン氏は5日夜、同マンションで交際女性と飲酒。その後、女性が外出して戻った際に死亡しているのを見つけたという。警察関係者によると、趙成ミン氏は女性に「これまでありがとう。私がいなくても強く生きて」などとのメールを送っていた。

 趙成ミン氏は96年、異例の8年契約で巨人に入団。「コリアンエクスプレス」の愛称で、98年には前半戦だけで7勝を挙げた。しかし、7月23日の球宴第2戦(千葉マリン)で右肘を故障。その後は手術、リハビリを繰り返すなど満足な成績を残せず、契約を1年残した02年限りで退団した。巨人在籍中の00年12月には、韓国のトップ女優だった崔真実(チェ・ジンシル)さんと結婚し、大きな話題を呼んだ。

 韓国に帰国後は、シュークリームチェーン店の事業を起こすが失敗。スポーツマネジメント業なども行っていた。04年8月には2人の子供の養育問題で、夫人の親族への暴行容疑で逮捕(起訴猶予)。同年9月に夫人と離婚した。崔真実さんは08年10月に自殺している。

 05年からは3年間、韓国・ハンファでプレー。11年から斗山で2軍コーチを務め、昨年はブルペンを担当していた。昨年4月にインタビューした、韓国球界に詳しいジャーナリスト室井昌也氏(40)は「将来的には日本で指導者の勉強もしたいと言っていた」と話した。

 趙成ミン氏は昨年11月、韓国の日本風居酒屋で暴力沙汰に巻き込まれるなどし、斗山との再契約を諦めたという。

 ◆趙成ミン(チョ・ソンミン)1973年4月5日、韓国ソウル出身。信一高―高麗大と進み、大学3年から韓国代表入り。94年のIBAFワールドカップ2位の原動力となる。大学通算47勝16敗。95年オフに契約金1億5000万円の8年契約で巨人に入団。97年8月5日のヤクルト戦(大阪ドーム)でプロ初勝利を挙げた。巨人での通算成績は11勝10敗。1メートル94、95キロ。右投げ右打ち。

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2013年1月7日のニュース