“守備は10割”安田学園 甲子園初出場初Vへ守り勝つ

[ 2013年1月1日 06:00 ]

秋季都大会で優勝、センバツ出場をほぼ決めている安田学園は威勢よくポーズ

 昨秋の東京都大会で初優勝。創部85年目で初の甲子園出場を確実にした安田学園が、守りの野球で旋風を巻き起こす。

 守るが勝ち。09年に就任した森泉弘監督のモットーだ。昨秋は6試合でわずか1失策。「いい打者でも打撃の調子はその日になってみないと分からない。私は慎重派だから、まずは守備で自信をつけさせたいんですよ」。明大から明治生命(現明治安田生命)に進み、社会人で6年間プレーした。「とにかく全員で守った」という当時の経験が指導スタイルに大きく影響している。練習メニューは「守備8割、打撃2割」が基本。渋谷主将は「3割打てばいい打者ですけど、守備は10割に持っていける」と指揮官の教えを忠実に守っている。

 エースの大金は、最速134キロと決して球威で押すタイプではないが制球力は十分。打線は小技を使いながら得点を重ねてきた。東京都大会決勝では早実を2―1で破ったが、先制点はスクイズ、2点目はスクイズを外されながら相手捕手の悪送球で奪った。盗塁、エンドラン、スクイズなどを絡め、少ない好機を確実に得点に結びつけるスタイルだ。 
 第85回の記念大会となるセンバツの出場36校は、25日の選考委員会で決定する。初の甲子園に向け森泉監督は言った。「うちは今までやってきたことの精度を上げるだけ」。あくまで守り勝つ野球で、東京勢では史上3校目となる甲子園初出場初優勝の偉業に挑戦する。

 【東京勢の初出場初優勝アラカルト】

 ☆72年日大桜丘 1メートル93の長身から「ジャンボ仲根」の愛称で呼ばれた仲根正広(故人)を擁し、松江商、高知商、東北を破って決勝進出。決勝では仲根が春連覇を狙う日大三を2安打完封し、5―0で完勝。春夏通じて初の東京対決を制して初優勝を飾った。

 ☆84年岩倉 エース山口を中心に1、2回戦を勝ち上がると、準々決勝では取手二、準決勝では大船渡を下して決勝進出。決勝では桑田、清原のKKコンビを擁して夏春連覇を狙ったPL学園を1―0で破り、初優勝を成し遂げた。準々決勝以降はすべて1点差での勝利と接戦で強さを発揮した。

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2013年1月1日のニュース