内海「YAMATOボール」 WBC仕様チェンジアップに命名 

[ 2012年12月16日 06:00 ]

WBC使用球を手にする内海

 YAMATOチェンジで世界を斬る!巨人・内海哲也投手(30)が14日(日本時間15日)、優勝旅行中の米国ハワイで自主トレを行った。来年3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で使用される大リーグ公式球でキャッチボール。侍ジャパンの山本浩二監督(66)から投手陣のリーダーにも指名された左腕は、世界の舞台でアピールするために、最大の武器であるチェンジアップを大和魂からとって「YAMATOボール」と命名した。

【侍ジャパン日程】

 日の出前のワイキキの公園で、内海が汗を滴らせた。100メートルダッシュに続き、キャッチボールもこなした。手に握られていたのはWBCで使用される大リーグ公式球。感触を確かめると、伝家の宝刀チェンジアップへの思いを口にした。

 「ヤマトボールってどうですか。大和魂。そうやってつけた名前が残ればうれしい」

 あえて「YAMATOボール」と命名したのは、それだけこだわりがあるからだ。2年連続でセ・リーグ最多勝を獲得した左腕の生命線ともいえる球種だが、大リーグ公式球は日本の公式球よりも革の材質が滑りやすく「(指が)縫い目じゃなく、ボールの革に触れる部分が多い」ために対応が難しい。しかし、内海は「前回(09年)のWBCよりはなじんでいる気がする。僕の場合、チェンジアップさえ大丈夫なら他の球種も大丈夫だと思います」と感触は上々。相手に強く印象付けるためにも、世界にアピールする名前をつけた。

 今回は過去2大会連続MVPの松坂(レッドソックスからFA)や岩隈(マリナーズ)が不在。内海は「僕が監督でも軸はマー君(楽天・田中)でしょ。僕はどんな形でも貢献できればいい」と冗談交じりに言ったが、山本監督の期待は大きい。名球会イベントでハワイに滞在中の指揮官はこの日「内海は第1先発か第2先発か。いずれにせよ6人の中に入ってくる」と先発起用を明言し、さらに「投手陣をまとめることがアイツはできる。年齢的に見ても杉内と内海にまとめていってもらいたい」と投手陣のリーダーにも指名した。

 前回大会は唯一の登板が韓国戦の先発で、3回途中1失点と不完全燃焼で終わった。「前回はおまけとして入った。今回は戦力として入りたい。貪欲に向かって行きます」。常夏の島ハワイで名付けた「YAMATOボール」をひっさげ、内海が世界の強打者に立ち向かう。

 【過去の珍ボール】

 ☆省やんボール 50年代に阪神・渡辺省三がスローナックルカーブを投じて周囲を驚かせた。自称50キロ前後。

 ☆コシヒカリ 84年に巨人・江川卓が小さな曲がりのカーブに命名。85年は内角直球を「マスクメロン」、87年にパームボールを「ラビットボール」と呼んだ。

 ☆ヨシボール 70~90年代と長く活躍したオリックス・佐藤義則の決め球。指が短くフォークの握りができず、人さし指と親指で球を挟んで抜くように投げた。

 ☆サンダーボール 巨人・桑田真澄がスプリット・フィンガード・ファストボールを「サンダーボール」と名付けた。87年から投げ始め、フォークよりスピードが速く落差は小さい。

 ☆シェイク ロッテ・小宮山悟が05年キャンプで開発。球を人さし指と中指で挟み、押し出すように投げる。85キロ前後で揺れながら落ちる。

 ☆ただのボール メジャー経由で08年に日本ハム入りした多田野数人が投げる超スローボール。スピードガンでは計測不能で、テレビ局の企画撮影では40キロ台と計測された。

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