DeNA・新沼 厚い人望…正捕手でなくても選手会長に

[ 2012年12月12日 10:07 ]

10月8日の引退試合後にDeNAナインから胴上げされる新沼慎二捕手(上)

 【惜別求人・新沼慎二】常に2、3番手捕手だった新沼に特筆すべき実績はない。プロ15年間で出場わずか143試合。それでも野球に取り組む姿勢や、細かい気配りなどから人望は厚かった。昨年から選手会長も歴任。球団からは引退試合の花道まで用意された。

 「引退試合は最初、自分なんかがやっていいのかと思って断っていたんです。でも“DeNAにとって最初の出来事だし、ぜひやってくれ”と言われて…」

 今季は若手の台頭もあり2軍暮らしが続いた。球宴後には引退を決意。10月8日の広島戦(横浜)が引退試合となった。中畑監督から「1番・捕手」での出場を打診されたが「捕手で終わりたい」と打席は固辞したのも控えめな新沼らしい。1回表を無失点リードで終えて交代。男泣きしながらベンチに戻った背番号29を仲間が温かく出迎えた。

 シーズン後、2軍の育成兼バッテリーコーチに就任。秋季キャンプでは若手を徹底的にしごいた。「一緒にプレーした選手にきつくやるのは難しい。でも選手のミスは僕のミス。うまく助言していきたい」。今後は良き兄貴分として若手の技術と精神面を鍛えていく。

 ◆新沼 慎二捕手(にいぬま・しんじ)33歳。15年目。仙台育英甲。97年ドラフト2位。最高年俸1300万円(12年)。

 ▼通算成績 143試合、打率・195、4本塁打、14打点、0盗塁。

 ▼思い出 今春のキャンプ中、みんなで話し合って石川をキャプテンに選出したこと。

 ▼再出発 DeNA育成兼2軍バッテリーコーチ。

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2012年12月12日のニュース