楽天 斎藤隆獲得へ本格調査 地元・仙台出身、復興の星に

[ 2012年12月12日 06:00 ]

楽天が獲得を狙う斎藤

 楽天がダイヤモンドバックスからFAとなった斎藤隆投手(42)の獲得に向け、本格調査を開始したことが11日、明らかになった。今季は度重なる故障で16試合の登板に終わったが、体調が万全ならばメジャー通算84セーブの右腕は大きな戦力になる。何より宮城県仙台市出身で、東日本大震災の復興支援にも尽力しており、うってつけの人材。チームに必要な戦力と判断すれば正式にオファーを出す見込みだ。

 メジャー通算434本塁打のジョーンズに続き、今度は地元出身のスター獲得に向けて動きだした。メジャー7年目を終えた斎藤だ。代理人を務めるネズ・バレロ氏は先週行われたウインターミーティングで「できる限り米国で所属先を見つけたいが、日本復帰の選択肢もある」と発言。現時点でメジャーからのオファーは届いておらず、楽天は日本復帰の可能性を含めて調査している。

 42歳の斎藤は今季、開幕前に右ふくらはぎを痛めて故障者リスト(DL)入り。リハビリ中には右上腕の炎症にも見舞われた。7月21日に初登板を果たしたが、8月14日に左太腿裏を痛めて再びDL入り。9月1日に復帰したものの、メジャー7年間で最少の16試合登板に終わった。それでも直球は依然として150キロ超えを記録するなど、大リーグ関係者も「体調さえ万全ならばメジャーでもまだプレーできる」と見ている。

 斎藤は東北から東北福祉大に進み、卒業まで22年間を仙台で過ごした。42歳となった今でも不屈の精神でマウンドに立つ姿は、被災者に勇気と希望を与えることは間違いない。

 球団は斎藤の調査を継続して行い、必要な戦力と判断すればオファーを出す見込み。日本球界復帰となれば、05年以来、8年ぶり。そのマウンドは仙台がふさわしい。

 ◆斎藤 隆(さいとう・たかし)1970年(昭45)2月14日、宮城県生まれの42歳。東北から東北福祉大を経て、91年ドラフト1位で大洋(現DeNA)に入団。96年には最多奪三振のタイトルを獲得した。05年オフに横浜を自由契約となり、06年ドジャースとマイナー契約。同年、球団新人最多の24セーブを記録し、39セーブを挙げた07年は球宴にも出場した。日本人大リーガー最年長登板、勝利、セーブなどの記録を持っている。1メートル88、91キロ。右投げ左打ち。

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