松坂帰国 “打倒キューバ心得”を侍ジャパンに伝授

[ 2012年12月12日 06:00 ]

成田空港に到着した松坂

 レッドソックスからFAとなっている松坂大輔投手(32)が11日、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で大会3連覇を目指す侍ジャパンに打倒キューバのアドバイスを送った。国際大会で同国相手に3戦3勝の松坂は、(1)投手は安易に変化球に逃げないこと(2)相手ベンチの作戦に冷静に対処すること――を力説した。同日、成田空港着の日航機で帰国したWBC2大会連続MVP腕の言葉が、侍ジャパンの新たな力となる。

 長年にわたってキューバと対じしてきた松坂だからこそ言える言葉がある。WBCは6戦6勝で2大会連続のMVP。何よりキューバには、04年のアテネ五輪から3戦3勝とめっぽう強い。

 松坂 キューバ打線は畳みかける集中力もある。相手の得意の土俵でやらせないことが大事。先発投手で言えば、キューバはストレートに強いですけど、速球をいかに早い段階で使えるようにするかです。変化球だけで打ち取れる相手ではない。速球を狙われる状況になる前に、速球を投げ込める状況を自らつくることです。

 実際、先月の国際強化試合2試合でも、速球に対する振りは鋭く、初球が速球の場合、90%近い確率で振ってきた。相手は国内リーグ開幕前の調整途上で日本が連勝したが、3月は最高の状態に仕上げてくる。速球ではなく変化球勝負――との意識が働いてもおかしくないが、松坂の考えは違った。「僕は序盤にスライダー、カットボール、普段投げないスローカーブも使った。それを意識させてからストレート中心にした」と振り返る。相手に打席で考えさせる状況をつくり上げること。前回09年当時の主力であるグリエル、デスパイネは今回も主軸を務めている。

 松坂 ベンチからの内外角のコース伝達は北京の時も、前回(09年)のWBCでもやってきた。同じ手は使ってこないし、逆に知られていることを逆手にとる可能性だってある。正攻法に来ることはない。“何かをやってくる”という意識だけ持って、あとはベンチや選手たちが冷静に対処することですね。

 09年の2次ラウンドでは、6回5安打無失点に抑えた。ベンチから内角、外角に応じてコース指示の声が飛んだが、捕手・城島と相談し、あえて構えたコースとは違う「逆球」で相手を困惑させた。心構えをしっかり持って対応する柔軟性も重要になると説いた。

 1次ラウンドから同組に入る。日本にとっては、キューバを倒さなければ、大会3連覇は見えない。今回は右肘手術明けで代表メンバーには名を連ねられなかった松坂だが「僕にできることは少ないですが、何かのお役に立てればいい」と後方支援も約束した。

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