ダル父「大谷11番」チクリ 「歴史大事にして」

[ 2012年12月10日 06:00 ]

大谷(右手前から2人目)の会見に駆け付けた大勢の報道陣

 レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(26)の父・ファルサ氏(52)が9日、スポニチ本紙の取材に応じ、花巻東・大谷に昨季まで絶対エースが背負っていた11番を与えた球団姿勢に複雑な心境を打ち明けた。また、大谷同様、プロ入り前からメジャー球団の誘いを受けた息子を持つ親の立場から、日本球界を経由するメリットとデメリットの双方にも言及した。

 ファルサ氏の胸中は複雑だった。「大谷君に関しては、コメントする立場ではない」と前置きした上で、わが子の11番を1年間欠番にしただけで、新入団選手に与えてしまう日本ハムの姿勢に疑問を投げかけた。

 「イチロー選手の51番を、オリックスは守っている。小笠原選手の時もそう。(小笠原は)有より、もっと活躍した。自分たちの歴史を大事にする球団になってほしい」

 日本ハムは永久欠番を制定しない方針で、小笠原(現巨人)の2番も1年だけ空き番とし、08年からは高橋(現オリックス)に背負わせた。ダルビッシュの扱いも同じで、ファルサ氏は「日本(の他球団)でも米国でも歴史は大事にしている」と訴えた。

 アマ球界から直接メジャーを目指すべきか。ダルビッシュも中3でエンゼルスの入団テストを受け、メジャーから誘われた。ファルサ氏は「18歳で急に社会人になる。日本の方が(首脳陣が)見守ってくれる。評価が高ければ1年目から1軍キャンプも経験できる」と日本球界のメリットを説いた。

 メジャーでは各球団の傘下チーム数が7~9球団。日本の方がトップレベルを早い段階で体感できるとも主張した。

 一方で、海外FA権取得に実働9シーズンを要する。ファルサ氏は、在籍7年でポスティング・システム(入札制度)を行使した息子について「本人の希望があり、球団と話しての結果」と日本ハムに感謝しながらも「球団がOKを出さないと9年拘束できるのは変わらない。世界のスタンダードから見たら理解できない」。日米間移籍のルール見直しを切望した。

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2012年12月10日のニュース