多田野「思った以上の評価」 1900万円UPで一発サイン

[ 2012年12月7日 12:43 ]

1900万円アップの年俸3900万円でサインし、会見に臨む多田野

 日本ハムの契約更改交渉が6日、札幌市内の球団事務所で行われ、5年目右腕の多田野数人投手(32)が95%アップとなる1900万円増の3900万円+出来高で一発サインした。今季は18試合に登板して6勝5敗ながら、安定した投球内容が評価された。

 数字に表れない部分の評価こそが、多田野にとって最大の喜びだった。

 「思った以上の評価をしてもらった。監督も代わって今年はとにかく開幕から全力でいった。何とか1シーズン持ったし、いい1年だった」

 5年目の今季は先発ローテーションの一角として期待されながら開幕2軍スタート。その後もローテーションの影響で、投げては出場選手登録を抹消される状況が続きながら、開幕4連勝を含む7試合連続でクオリティ・スタート(QS=先発して6回以上を自責点3以下)をマーク。安定した投球でチームの開幕ダッシュに貢献した。終わってみれば18試合6勝5敗、防御率3・70もポストシーズンでは中継ぎ待機するなど「何でも屋」としてチームを救った。

 栗山監督は「多田野には非常に難しい調整を強いちゃったけど、その中で良くやってくれた」とシーズン中から感謝を口にしていた。多田野は立大卒業後、渡米してマイナー暮らしをしていた際に、当時スポーツキャスターだった栗山監督の取材を受けている。親交ある指揮官の就任に「言われたところで何でもやる」と意気に感じて臨んだシーズンだった。入団3年目の10年オフ、一度は戦力外通告を受けながら年俸800万円、背番号も16から65に降格となって再スタート。意地を見せた2年間でどん底から自身最高年俸にまで盛り返した。

 「来年が移転10年目。もう一度ファンに対するサービスなどを考えないと」とファンサービスへの意識向上も口にした。来季は激しい先発枠争いが待っているが「どういう使われ方をするか分からないけど、優勝に貢献できるのなら何でもやっていきたい」。ベテラン右腕は、来季もチームを支え続ける。

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2012年12月7日のニュース