阿部―内海 セ界一の次は世界一バッテリー

[ 2012年12月6日 06:00 ]

バッテリー賞を受賞した巨人・阿部(前列左)、内海(後列左)、日本ハム・鶴岡(前列右)、吉川(後列右)

 スポーツニッポン新聞社が制定する「2012プロ野球最優秀バッテリー賞」(協力・一般社団法人電池工業会)の表彰式が5日、東京都文京区の東京ドームホテルで行われた。セ・リーグは、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパンの候補にともに名を連ねた巨人・内海哲也投手(30)と阿部慎之助捕手(33)、パ・リーグは日本ハム・吉川光夫投手(24)と鶴岡慎也捕手(31)のバッテリーがそれぞれ受賞。スポーツニッポン新聞社の森戸幸生代表取締役社長から各選手に賞金100万円などが贈られた。

【歴代バッテリー賞受賞者】

 日本一バッテリーから世界一バッテリーへ。4日に発表された侍ジャパン候補34人に名を連ねたおしどり夫婦は、日の丸を背負っても固い絆を武器に戦う。

 女房役の阿部が「ここ数年、凄い投手になったなと感じながら受けている。直してほしいところはない」と内海に絶対的な信頼を寄せれば、2年連続最多勝に輝いた男も「正直、阿部さんじゃないと自分の力が100%出せるか分からない。WBCでも阿部さんとなら、自分の力を発揮できると思う」。3連覇が懸かる来年3月のWBCへ、相思相愛の見えない力を強調した。

 授賞式前には原沢敦球団代表兼GMから、WBCで使用される大リーグ公式球の新品を1球ずつ手渡された。牛革の日本の統一球に比べて、馬革で滑りやすく縫い目も高い。「日米のボールの違い。そこが一番の問題だよ」と阿部。1月のグアム自主トレでもWBC球で投げ込む予定の内海は「やっぱり滑る。グアムでは湿気があるけど、日本に戻ってきたらまた別の球になる」と、感触を確かめた。09年大会の左腕は最後まで球質の違いに適応できず、わずか1試合の登板で2回2/3を1失点。「前回はオマケみたいな感じで連れて行ってもらっただけ。(今回は)戦力として1勝でも多く挙げたい」と、2月1日からの宮崎キャンプでもWBC球を手放さない考えだ。

 侍ジャパンの山本監督から「4番&主将」をすでに伝えられている阿部は「そう言っていただける以上、体と心の準備だけはしていきたい。先輩には少しだけ気を使って、あとは巨人にいるみたいに若い子を引っ張っていきたい」と力を込めた。今オフは内海ともども受賞ラッシュで多忙を極めるが、攻守の大黒柱は「いつスイッチを入れようか考え中。少し前倒さないと間に合わない」とも口にした。世界一の座も2人でつかみ取る。内海、阿部の最強バッテリーの表情は頼もしかった。

 ▽最優秀バッテリー賞 投手だけでなく、縁の下の力持ちともいえる捕手にもスポットを当てて球界最高の「バッテリー」を表彰するもの。投手は先発、救援で1年間を通じて活躍したことを最低条件とし、先発は10勝、リリーフは30セーブが目安。捕手はリード面や盗塁阻止率などを基準に選考される。今年で22回目。91年の第1回の受賞者はセ・リーグが西村―古田(ヤクルト)、パ・リーグが工藤―伊東(西武)。

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