球児 3年総額17億2200万円!日本人抑え最高額でカブス合意

[ 2012年12月3日 06:00 ]

カブスと合意した藤川

 大リーグ移籍を表明し、阪神から海外フリーエージェント(FA)宣言した藤川球児投手(32)が1日(日本時間2日)、カブスと条件面で合意に達した。基本は2年契約で、規定の数字をクリアすれば、3年目も自動的に更新されるオプション付き。金額は出来高も含めると満額で3年総額2100万ドル(約17億2200万円)。3日(同4日)のウインターミーティング開幕を前に、日本人の抑え投手としては史上最高額となる大型契約を勝ち取った。

 ウインターミーティング開幕直前のビッグニュースに、シカゴが沸いた。全米に「藤川カブス合意」の一報が流れると、シカゴの地元紙は第2回WBCで力投する藤川の写真を使い、トップニュースで報道。「手薄だった救援陣強化に成功した。抑えを務めることになる」と伝えた。

 今季61勝101敗で中地区5位に沈んだカ軍は、救援陣の防御率が4・49でナ・リーグ16球団中13位。抑えのマーマルは20セーブながら制球難で、防御率3・42と最後まで安定しなかった。ジェド・ホイヤーGMは「抑えの補強が、必ずしも配置転換につながるわけではない」と明言は避けたものの「どの球団も最終回を任せられる投手を探している」と新守護神補強を示唆していた。

 期待の高さは契約内容が物語っている。ベースは2年契約だが、総額では3年で2100万ドルとなる好条件で、最後を締めた試合数を設定する「クローザー出来高」も盛り込まれた。出来高の金額は毎年最高200万ドル(約1億6400万円)。規定の数字をクリアすれば自動的に3年目の契約が更新され、年俸550万ドル(約4億5100万円)、最高600万ドル(約4億9200万円)が保証されるという。

 セオ・エプスタイン編成担当取締役とホイヤーGMは、ともにレッドソックスに所属していた02年から藤川の調査を開始していた。06年オフの松坂を筆頭に当時レ軍は日本市場に熱心だったこともあり、継続的に視察を続けてきた。11月15日に藤川が本拠のリグレー・フィールドを訪問した際には「大変良い印象を抱いた」と同GMは期待感を示していた。

 藤川はこの日「すべてのことがスムーズにいくことを願っています」とだけコメントした。今後は身体検査などを経て、カブス側が正式発表する見込み。藤川も入団会見に備えて近日中に渡米する予定だ。抑え投手としては日本人史上最高額という大型契約を引っ提げて、憧れのメジャー移籍が間もなく実現する。

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2012年12月3日のニュース