東浜、目標は沢村賞 「新人王だけでなく1番になりたい」

[ 2012年12月1日 06:00 ]

東京の街並みを背に飛躍を誓う東浜

 ソフトバンクからドラフト1位指名された亜大・東浜巨投手(22)が30日、都内のホテルで入団交渉に臨み、契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1500万円で仮契約した。超高層ビルの37階。眼下に望む街並みを眺め、背番号16のユニホームに袖を通した右腕はプロでさらなる高みを目指すことを誓った。

 「新人王だけでなく、やるからには(1年目から)1番になりたい。プロの世界に入って、力で勝負する。1年間頑張った成果を評価していただければ…」。東都大学リーグで22完封、420奪三振の新記録をマークした。プロ入り後は、先発投手の最高栄誉「沢村賞」を目標とする。

 近年、投手分業制により先発投手の完投数は減少傾向にあるが、東浜はあくまでも先発完投にこだわる。「1イニングでも長くマウンドにいたいし、多く投げれば勉強にもなる。プロでも完投にこだわりたい」。ソフトバンクが05年球団買収後は06年斉藤(現リハビリ担当コーチ)しか到達していない200投球回を視野に入れる。その数字は沢村賞の選考基準となる。

 新人王と同時に沢村賞を獲得した投手は、61年権藤(中日)、66年堀内(巨人)、99年上原(巨人)ら過去に5人おり、パ・リーグでは90年野茂だけ。59年の村山(阪神)は新人で沢村賞を獲得しながら新人王は逃した。だが東都大学リーグでしのぎを削ってきた2歳年上の巨人・沢村(中大)が11年新人王に輝いたこともあり「そういう人が、プロに入って活躍するのは励みになるし、目安でもある。自分もやれるかなという思いはある」。だから、その上を目標に掲げた。

 「(今季沢村賞の)摂津さんはどうやって練習をしているのか。何を意識して投げるのか。全て聞いてみたい」。プロでもトップになる。貪欲な姿勢も東浜の武器のひとつだ。
  
 ▽沢村賞 プロ野球史上初の無安打無得点試合を達成した故・沢村栄治氏(巨人)の功績を称え1947年に制定。シーズンで最も優れた先発完投型の投手に贈られる。2リーグ分立の50年からセ所属投手だけが選考対象となり、89年から両リーグに広げられた。選考基準は「登板数25試合、完投10試合、15勝、勝率・600、200投球回、150奪三振、防御率2・50」の7項目。チームへの貢献度やプロ野球選手としての品格なども、参考基準として加味される。

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