大谷側から申し入れ 3日にハムと再交渉「栗山監督も来て」

[ 2012年12月1日 06:00 ]

日本ハムと再交渉することになった大谷

 日本ハムは30日、ドラフト1位指名した花巻東(岩手)の大谷翔平投手(3年)と、12月3日に岩手県奥州市内のホテルで、再交渉を行うことを発表した。栗山英樹監督(51)も同席する。大谷自身はメジャー挑戦の意思を固めているが、日本ハムでのプレーを望む両親との間で意見の相違がある。当初は11月中にも結論を出すと見られていたが、次回交渉後に大谷が何を語るか注目される。

 メジャーを熱望していた大谷が、再び日本ハムとの交渉の席に着くことになった。11月26日が最終交渉の予定だったが、球団幹部は大谷側から再交渉の申し入れがあったことを明かした。

 「先方から2、3確認したいことがあるので話を聞きたい。栗山監督も来てほしいということだったので行ってきます。その場で結論が出るような感じではないと思うけど、迷われているなというのが印象です」

 これまで「(日本ハム入団の)可能性はゼロです」「パイオニアになりたい」「メジャーでトップの選手として長く活躍したいという夢は変わらない」と話すなど、大谷自身はすでにメジャー挑戦の意思を固めている。一方で大谷の父・徹さん(50)は「言葉や文化の違いでメンタル的にも心配。私たちは国内でプレーしてほしかった」と話すなど日本でのプレーを希望している。息子の強い希望もありメジャー表明に至ったが、両親としては納得した上で結論を出すために、再度の話し合いを希望したとみられる。

 予想もしていなかった大谷側の要請に、日本ハム側は喜んだ。前回の出馬時に栗山監督は「翻意させに来たわけではない。話を聞いてもらって感謝している。僕は信じて待つだけ」と熱い思いを伝えたが、別の球団幹部は「(栗山監督の)手助けしにきたという姿勢に両親も感謝している」と手応えを口にした。

 メジャー挑戦か急転、日本ハム入りがあるのか。父・徹さんは「近いうちに本人の意思で回答したいと思います」と11月中にも日本ハム側に結論を伝える意向を示していたが、大谷が野球人生最大の決断を下すのは、もうしばらく時間がかかりそうだ。

 ▼日本ハム大社啓二オーナー代行の話(大谷との入団交渉について)楽しみ、と思うしかない。一足早いクリスマスプレゼントになればいいよね。いい結果になることを期待しています。

 【大谷と日本ハムの交渉経過】

 ▽10月25日 メジャー挑戦の意思を表明していた大谷を、日本ハムがドラフト会議で1位指名。大谷は「評価はありがたいが(入団の)可能性はゼロです」。

 ▽同26日 山田正雄GMと大渕隆スカウトが、岩手県花巻市の花巻東を訪問。大谷は練習のため同席せず、佐々木洋監督に指名に至った経緯を説明した。

 ▽11月2日 山田GM、大渕スカウトが大谷の自宅を訪問。大谷と両親に50分間、育成方針などを説明。栗山監督が「夢は正夢。誰も歩いたことのない大谷の道を一緒につくろう」と記したボールを手渡した。

 ▽同10日 山田GMと大渕スカウトが、花巻市内で両親と入団交渉。「大谷翔平君 夢への道しるべ~日本スポーツにおける若年期海外進出の考察~」と題した資料などを持参。近年、韓国の高校生が直接メジャー挑戦しても成功例がないことを強調。

 ▽同17日 山田GM、大渕スカウトが大谷、両親と入団交渉。日本ハムは投手と野手の「二刀流育成プラン」などを説明。

 ▽同26日 栗山監督が直接出馬し、大谷と両親と約1時間の入団交渉。

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2012年12月1日のニュース