坂本 ジョージア魂賞年間大賞「感謝の気持ちでいっぱい」

[ 2012年11月23日 06:00 ]

ジョージア魂賞表彰式で記念撮影中に笑顔を見せる(前列左から)大賞の巨人・坂本と特別賞の前田健(後列左から)杉内、中田、新井良

 チームの勝利に貢献した素晴らしいプレーに贈られるジョージア魂賞の発表と表彰式が22日、都内のホテルで行われ、年間大賞は巨人・坂本勇人内野手(23)が、選考委員特別賞は広島の前田健太投手(24)が受賞した。2選手には記念盾と副賞として坂本に賞金100万円、前田健に賞金30万円が贈られた。来春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で主力としての活躍が期待される坂本は、前田健や楽天の田中将大投手(24)ら、同じ88年生まれの同期を中心に侍ジャパンをけん引する覚悟を示した。

 ファンからの投票で決められる年間大賞。受賞した坂本は、その価値も、重みも承知していた。「正直、僕ではないと思っていた。選んでくださった皆さんには感謝の気持ちでいっぱいです」。他の個人タイトルとは違う喜びにこうべを垂れた。

 来年3月にはファンの、国民の期待を背負う戦いが待っている。侍ジャパンの若大将として臨むWBC。「選ばれるという気持ちで、このオフも準備したい。若い世代でジャパンのユニホームを着て、引っ張っていければ。それが一番いいと思っています」と覚悟を語るとともに、同世代の戦士へ強く呼び掛けた。

 坂本ら、88年生まれの選手が侍ジャパンの中心になる。この日の12人の受賞者中、4人が88年生まれの同世代。今や球界の一大勢力となっている。楽天・田中、広島・前田健らエース級がそろうが、野手でただ一人レギュラーが確実視されるのが坂本だ。すでに山本監督は、3番・遊撃という攻守の要で起用する意向を固めている。「3番は球界全体を見渡しても適任者はあいつだ」。課題とされた守備についても、16、18日のキューバ戦2試合を無失策で切り抜けたことに「あいつのグラブさばきは本当にうまくなったと思う」と高く評価した。

 この日の受賞も7月7日の阪神戦(東京ドーム)で2点リードの8回1死満塁、抜ければ一打同点という当たりを華麗な守備で併殺にさばいた守備力が評価されたもの。「守備を見て投票してくれて選ばれたので違ううれしさがある」。昨オフは名手のヤクルト・宮本の自主トレに同行し、基礎から徹底的にたたき直された。「宮本さんに教わったことはメモしている。見返しながらやりたい」とさらなる向上に意欲を見せた。

 年明けには田中、前田健と連名で発起人を務める「88年会」が正式に発足する。東日本大震災の被災地で子供たちを対象とした野球教室など、復興支援のイベントを開催する予定。グラウンド外でも活動を始めるが、やはり本職はプレーで魅せてこそ。その最大の見せ場が、88年会が主力を務めるWBCとなる。「ファンの方にいいプレーを見せるのが僕たちの仕事」。野球選手としての原点を胸に、日の丸を背負う舞台でも若侍のリーダーとして主役を張る。

 ▽ジョージア魂賞 10年に日本野球機構(NPB)とパートナー契約を締結した日本コカ・コーラ株式会社の缶コーヒーブランド「ジョージア」の冠を取って創設された「チームのためのプレー」を称える賞。山田久志氏、衣笠祥雄氏ら、6人の選考委員が対象試合から6プレーを選出し、その中からファンの最多得票を集めた選手を表彰する。年間大賞はシーズン終了後にファン投票の集計結果や選考委員の審議によって決定。第1回は城島健司(阪神)、第2回は田中将大(楽天)が受賞した。

 ◆選考委員 山田久志、衣笠祥雄、梨田昌孝、工藤公康(以上、プロ野球OB)、二宮清純(スポーツジャーナリスト)、小林光男(週刊ベースボール編集長)=敬称略

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2012年11月23日のニュース