侍ジャパン 国内組でも戦える!堂林ら若手アピールで競争激化

[ 2012年11月19日 06:00 ]

<キューバ・日本>8回無死、三塁打を放った堂林

侍ジャパンマッチ2012 日本代表3―1キューバ代表

(11月18日 札幌D)
 来年3月に開催される野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3連覇を狙う侍ジャパンは18日、キューバ代表に3―1で競り勝ち、2連勝で終えた。堂林翔太内野手(21)が8回に決勝点の足場となる三塁打を放つなど、若手が活躍。本大会も国内組で臨む可能性が高まる中、山本浩二監督(66)は新戦力を見極めると同時に、1次ラウンドで同じA組に入る最大のライバルに「侍」の強さも見せつけた。

 最大のライバルに前哨戦で連勝。山本監督はナイン一人一人とガッチリ握手を交わした。熱気と確かな力を感じていた。

 「ミスなく戦った。ミスすると得点されるケースがあるが今回はキューバのミスを日本チームが生かした。勝ったことが選手たちの自信になる」

 スモール・ベースボールを掲げて戦った2試合。この日は再三の好機をつぶして迎えた8回、突破口を開いたのは21歳の若武者だった。先頭打者として代打に立った堂林は、侍デビューで臆することなく初球の真ん中高め速球を振り抜いた。打球はグングン伸びて中越え三塁打。1死後、坂本の決勝右犠飛を呼んだ。

 14日のヤフードームでの練習初日。広島の大先輩でもある指揮官から打撃フォームのアドバイスをもらった。その時は緊張で声も小さかったが、たった4日で精神的にたくましくなった。3年目の今季全試合に出場し14本塁打とブレークした「コイのプリンス」は「見ていても仕方がない。初球から打ちにいこうと思った」と振り返った。

 正三塁手は松田がいるが、首脳陣は堂林も最終メンバーの有力候補に挙げている。パンチ力を兼ね備えた右打者は貴重。代打で結果を出した堂林は「やることはやったので、あとは待つだけです」と話したが、大きなアピールとなった。

 今回のメンバー29人でWBCの経験があるのは阿部と涌井だけ。山本監督は「キューバという相手、この国際大会の重圧の中で、自分の良さを出すことに集中してほしい」と選手に言い続けてきた。若手では24歳の沢村が2回を無失点と好投し、23歳の坂本は3番の役割を果たした。21歳の今村も初戦では打者6人をパーフェクト救援し、評価を上げた。若侍たちの躍動は、指揮官の想像を大きく超えていた。

 WBCでは過去3戦3勝のキューバに、あらためて苦手意識を植え付けることができた。何より国内組でも戦える――。この2試合で得た自信と勢いは3月の本番へとつながっていく。

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2012年11月19日のニュース