キューバ怖くない!1番長野&3番坂本 確信のダブルマルチ

[ 2012年11月17日 06:00 ]

<日本・キューバ>浩二ジャパン初陣でマルチを決めた坂本

侍ジャパンマッチ2012 日本代表2―0キューバ代表

(11月16日 ヤフーD)
 来春に開催されるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で3連覇を狙う侍ジャパンは16日、キューバ代表と対戦。炭谷銀仁朗捕手(25=西武)の代表1号本塁打などで2―0で下し、10月に就任した山本浩二監督(66)の初陣を飾った。

 キューバは来年3月2日から開催される1次ラウンドA組で顔を合わせるライバル。本番に向けて試金石となる一戦で、走攻守全てで大きな収穫を得た。18日は札幌ドームで第2戦が行われる。

 ヤフードームを抜け、宿舎へと続く駐車場に出ると、ファンから「浩二コール」が湧き上がった。手を上げて歓声に応えた指揮官。初陣1勝に、興奮を抑えるようにして、ゆっくりと話した。

 「足もうまく使えて、投手陣が踏ん張り、チームに勢いをつけてくれた。非常にいい試合。本戦のメンバー入りへ向けた選手たちのアピールはヒシヒシ伝わってきた」

 打線全体では6安打。それでも、WBC本番でも侍ジャパンのキーマンがしっかり答えを出した。今季のセ・リーグ最多安打を分け合った坂本、長野が2安打した。シーズン中の巨人の試合と同様、長野が1番、坂本が3番に入った。まずは坂本。3回、先発で上手投げのペドロソがサイドから投げた2球目を左前打。6回はサイドスローの左腕マルティネスから同じく変化球を中前打した。「日本の投手に比べると変則的だが、うまく対応できた」と振り返った。

 橋上戦略コーチは「傾向やタイプは伝える。でも選手個々が体感することだ」と話した。絞り球は選手個々に任されていた。それは大会を連覇した過去の日本代表も同様だった。山本監督も「データに縛られたり分析するより、自分たちのプレーにつなげることだ」と言い続けてきた。選手個々の発想から、柔軟性や意外性も生まれる。坂本は「案外、大きな変化球が多い」と臨んだ試合で、変則の変化球を仕留めた価値は大きい。

 1番長野は初回は1ボールからの2球目を左前打するなど、ファーストストライクから積極的に振った。「緊張は特になかったし、1番打者として手ごわいと思わせたかった」という。ボールを見極め、球数を投げさせることも1番の役目だが、長野は果敢だった。この日は長野、坂本がそれぞれ別の回に安打を放ったため、得点には結びつかなかったが、2人が連動すれば得点力は格段に上がる。山本監督は「彼らは最後(アジアシリーズ)まで試合をして、一番、実戦感覚もある。期待通り」と目を細めた。

 監督生活の初采配もキューバ戦だった。88年10月の広島の監督就任直後の11月、キューバに遠征した。結果は4連敗の後、1勝するのがやっとだった。「木製バットと金属の違いはあったけど、その当時からキューバの身体能力は高かった」。広島での2期10年の監督を経て、守備走塁コーチとして参加した北京五輪の予選リーグでも2―4で敗戦。因縁の相手に、狙い通りの野球で勝ち切った。そして勝ったことで、選手たちの胸に確実に自信が芽生えた。

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2012年11月17日のニュース