元阪神 塩谷和彦容疑者 詐欺で逮捕 

[ 2012年11月17日 06:00 ]

阪神時代の塩谷容疑者

 兵庫県警西宮署は16日、会社役員から現金550万円をだまし取ったとして、元阪神、オリックス選手で不動産会社社長の塩谷和彦容疑者(38)=大阪市浪速区幸町2丁目=を詐欺容疑で逮捕した。

 塩谷容疑者は現役時代、内、外野を守れるユーティリティープレーヤーとして活躍。阪神時代の96年10月9日の中日戦(甲子園)では、新庄剛志外野手(当時24)とともに史上初の「1イニング満塁弾2本」を記録したこともある。

 かつて史上初の快挙で甲子園のファンを沸かせた男が逮捕された。塩谷容疑者は10年8月中旬から9月下旬にかけ、西宮市の会社役員の男性(41)に対して「新しくできる大阪の商業施設に入る飲食店の売り上げの一部を、受け取る権利を譲る」との架空の話を持ち掛け、3回に分けて計550万円を金融口座に入金させだまし取った疑い。西宮署によると塩谷容疑者は「事業費や生活費に困り、金が欲しかった」と供述。おおむね容疑を認めているという。

 塩谷容疑者といえば、思い出されるのが96年10月9日の中日戦だ。初回に左翼へプロ初本塁打となる満塁アーチ。この回には新庄も満塁弾を放ち、1イニングに満塁本塁打2本は当時、プロ野球史上初の快挙だった。オリックス時代の03年には24試合連続安打をマーク。球宴初出場も果たした。05年オフに戦力外通告を受けると、06年には韓国SKに移籍。しかし左手甲の骨折で23試合の出場に終わった。10年にはBCリーグ・福井の打撃・守備コーチに就任も、開幕前日に一身上の都合で突然辞任。私生活や仕事面で何らかの問題を抱えていたことをうかがわせる。

 元虎戦士の転落。塩谷容疑者が球団在籍時、広報担当などで接点のあった阪神・高野栄一球団本部長(49)は「突然のことで驚いています。報道が事実であるなら非常に残念です」とコメントした。

 ◆塩谷 和彦(しおたに・かずひこ)1974年(昭49)5月27日、兵庫県生まれの38歳。92年、神港学園3年夏の甲子園に出場。3回戦で敗れた。同年のドラフト6位で捕手として阪神に入団し、その後に野手に転向、内外野を守った。02年にトレードでオリックスに移籍。05年オフに戦力外通告を受け、06年は韓国・SKでプレーした。1メートル82、89キロ、右投げ右打ち。

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2012年11月17日のニュース