長野弾!ポストシーズン全12戦安打「うれしかった」

[ 2012年11月4日 06:00 ]

<巨・日>2回2死、巨人・長野は左越えソロを放ち、大西一塁コーチ(左)と高々とハイタッチ

日本シリーズ第6戦 巨人4―3日本ハム

(11月3日 東京D)
 大一番でも巨人・長野がチームをけん引した。自身初の日本シリーズ。阿部、ボウカーとともに優秀選手賞を獲得し、穏やかな表情で表彰式に臨んだ。

 「(優勝の瞬間は)うれしかったですね。何とかきょう、決めたかったので良かったです」

 いきなり口火を切った。初回、武田勝から中前打。2死満塁から矢野の適時打で、早々と先制のホームを踏んだ。2点リードの2回2死では今シリーズ2号の左中間ソロ。10月28日の第2戦(東京ドーム)でも初回に技巧派左腕から本塁打を放ち、シリーズ史上初の先頭打者弾による「スミ1勝利」に導いた。「(初回先制打の)矢野さんのおかげで楽な気持ちで入れた」と信頼するチームメートに感謝した。

 1日の第5戦(札幌ドーム)で右膝に死球を受けて途中交代。前日に東京ドームで行われた全体練習には参加しなかった。治療に専念したが「試合に入ったら忘れた」と集中力で乗り越えた。7回の第4打席は四球。阿部の決勝打につなげた。CSも含むポストシーズン全12試合で安打を放ち、今シリーズ9安打は坂本と並んでトップ。まさにリードオフマンとして完璧な働きだった。

 日本一を争った日本ハム。日大4年時の06年ドラフトで4巡目指名を受けたが、巨人入りを熱望して入団拒否した相手だった。今シリーズ中、試合前には連日、山田正雄GMの元にあいさつに出向く背番号7の姿があった。この誠実な人間性も魅力。社会人・ホンダを経て10年に入団してからはチームは2年連続で日本シリーズに進めなかった。責任を感じていた。

 「優勝できてうれしかったです」。3年ぶりの頂点。原巨人を支えた「1番・長野」の活躍なしには、届かなかった。

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2012年11月4日のニュース