中日4位の早大・杉山 3冠王手「ドラ4でも打てる」

[ 2012年10月28日 06:00 ]

<早大・慶大>初回1死二、三塁、早大・杉山(左)は中前に先制適時打を放ち、一塁ベースコーチの佐々木主将と笑顔でグータッチ

東京六大学野球最終週第1日 早大7―4慶大

(10月27日 神宮)
 早慶戦1回戦が行われ、25日のドラフト会議で中日から4位で指名された早大・杉山翔大(しょうた)内野手(4年)が、ドラフト後初の試合で先制打を含む2安打2打点と活躍し、慶大を7―4で下した。杉山はこれで打率・412、15打点、2本塁打の3部門でトップをキープ。07年秋の早大・田中幸長以来、史上13人目の3冠王獲得へ大きく前進した。また、中日から1位指名を受けた慶大・福谷浩司投手(4年)は救援で2回無失点と好投した。

 佑ちゃんの元女房役・杉山が、ひときわ輝きを放った。

 「ドラフトが終わって(気持ちが)吹っ切れたし、ドラ4でも打てることを証明したかった」。初回1死二、三塁から先制の中前適時打を放った。さらに4回1死一、三塁でも「4番であろうと泥臭く点を取っていくのが早稲田の野球」と詰まった二ゴロで走者を還した。2安打2打点の活躍。杉山から白い歯がこぼれた。

 千葉・東総工時代もプロから注目を集めたが、早大に進学。1年春の開幕戦から斎藤佑樹(日本ハム)とバッテリーを組んだ。打撃力を生かして2年秋から一塁手に転向となったが、3年春まで通算打率・249と伸び悩んだ。転機は昨秋から始めたノーステップ打法だった。太腿は競輪選手並みの77センチ。どっしりした下半身を生かすフォームで、昨秋に打率・386をマークし、今春も・395。あらためて視察に訪れた中日の石井昭男スカウトも「ナゴヤドームは広いから、本塁打はそう出ない。場面によって本塁打を打つときと打たないときの打撃が使い分けられる」と評した。

 今春は試合前のノック中に味方選手と接触して脳振とうを起こした。医師から「短期間でもう一度衝撃が加わると生命にかかわる」と通告されたが、次のカードから志願して出場したガッツマン。6月の大学選手権ではケガで離脱した主将の佐々木孝に代わってゲーム主将に就任し、チームを統率して日本一に導いた。

 中日には捕手として指名されただけに、同じく中日から1位指名された慶大・福谷と将来バッテリーを組む可能性もある。ただ、今は敵。「大学最後の試合なので悔いが残らないようにしたい」。打点、本塁打のタイトルはほぼ手中に収め、2回戦は5打数1安打でも・385で法大・多木の・381を上回る。3冠王を手土産にプロの世界へ飛び込む。

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2012年10月28日のニュース