王手!糸井「確変」2戦連発 連夜の7回2ラン大当たり~

[ 2012年10月19日 06:00 ]

<日・ソ>7回2死二塁、右越えに2ラン本塁打を放った日本ハム・糸井はガッツポーズ

パ・リーグCSファイナルS第2戦 日本ハム3―0ソフトバンク

(10月18日 札幌D)
 連夜の糸井弾だ!クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)は18日に第2戦が行われ、パ・リーグはリーグ覇者の日本ハムが3―0でソフトバンクに勝利。アドバンテージ1勝を加えて3勝0敗とし、日本シリーズに王手をかけた。1―0の7回に糸井嘉男外野手(31)が試合を決める2試合連続の2ラン。19日の第3戦に勝つか引き分けると、3年ぶりの日本シリーズ進出が決まる。
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 打球の行方を追う必要がないほど完璧な当たりだった。また糸井だ。1―0の7回2死二塁で、森福のスライダーを札幌ドームの右翼席に運んだ。前夜、陽耀勲から値千金の同点2ランを放ったのも7回。背番号7は「確変だね」と笑った。

 「対戦成績が悪いのは知っていたからね。初球から、受け身にならずに打てるボールは強く振りたいと思っていた」

 横手左腕の森福には今季6打数無安打1三振。通算でも18打数1安打と手も足も出なかった。今季は打率・304をマークしたが、ソフトバンク戦に限れば・163と対戦別でワースト。しかし、そんな過去のデータは完全消去した。頭にあったのは栗山監督に言われた「攻めていけ」の言葉だけ。バットが届く球は何でも振るという積極性が会心の一撃となった。

 走攻守全てにおいて規格外の男。栗山監督も開幕前に「チーム全員が嘉男なら優勝だよ」と話すほど、その能力はずばぬけている。だが、開幕直後は2番をはじめ打順が固定されずに持ち味の積極性を失った。出塁を考えるあまり、好球を見逃すケースも増えていた。

 7月中旬の敗戦後。糸井は遠征先の福良ヘッドコーチの部屋を訪ねて「3番がヘボで打てなくてすみません」と頭を下げ、打撃指導を仰いだ。自ら教えを請うのは入団以来、初めてだった。それほど追い込まれていた。8月下旬には左脇腹の筋挫傷で戦線離脱。だが、野球から離れたことで吹っ切れた。積極性が戻り、9月の復帰後24試合で91打数33安打、打率・363、19打点。ラストスパートに貢献した勢いはCSでも持続している。

 03年に近大から自由獲得枠で投手として入団しながら、芽が出ず野手転向。07年の初出場から6年目。マイペースの性格で、野球に関してもわが道を行くタイプだった。だが8月、自ら左脇腹を痛めた4日後に田中が左肘を骨折して離脱。すると、出場選手登録抹消中にもかかわらず栗山監督に「自分の方がケガは軽い。出られます」と直訴した。糸井は熱い男に生まれ変わった。

 武田勝とともにお立ち台に上がった糸井の姿をベンチで見ていた栗山監督はいつものように目を潤ませていた。連勝で3年ぶりの日本シリーズ切符に王手。指揮官は「王手をかけた感じはない。何とか1つ取りたい」と手綱を締めたが、3年ぶりの日本シリーズ切符は、すぐそこにある。

 ≪ハムではガッツ以来8年ぶり≫糸井(日)が2試合連続2ラン。CSの2試合連続本塁打は今季セ・ファーストSのバレンティン(ヤ)以来。日本ハムでは04年に小笠原(現巨)がプレーオフ第1Sの1、2戦で打って以来8年ぶり2人目だ。初回には先制点を呼び込む三塁打。PO、CSで同一試合に本塁打と三塁打をそろえたのは07年李炳圭(中)、08年ラミレス(巨=現D)に次ぎ3人目。パでは前後期制時含め糸井が初。

 ≪無傷3勝で突破率100%≫日本ハムはアドバンテージの1勝を含め3連勝。6試合制となった08年以降のセ、パCSファイナルSで無傷3連勝は4度目で、うち2度が日本ハムだ。過去は全てシリーズに進出しており、日本ハムが断然有利になった。なお、規定では勝利数が並んだ場合はシーズン上位チームがVとなるため、残り4試合のうち1勝か1引き分けで勝ち抜けとなる。

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2012年10月19日のニュース