二岡 ポーカーフェースも崩れるV打「反省しています」

[ 2012年10月18日 06:00 ]

<日・ソ>7回2死一、三塁、決勝点となる右前適時打を放った日本ハムの代打・二岡は珍しく!?笑顔でガッツポーズ

パ・リーグCSファイナルS第1戦 日本ハム3―2ソフトバンク

(10月17日 札幌D)
 日本シリーズの出場権を争うクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)が17日に開幕し、リーグ優勝の日本ハムが、3位から勝ち上がってきたソフトバンクを3―2と逆転して先勝した。2点を先制された直後の7回に糸井嘉男外野手(31)の2ランで同点とし、代打・二岡智宏内野手(36)の右前打で勝ち越した。1勝のアドバンテージがある日本ハムは2勝となり、18日の第2戦に勝てば、日本シリーズ進出に王手がかかる。

 ポーカーフェースが思わず崩れた。一塁ベース上、二岡は照れくさそうに三木コーチと握手を交わすと笑みをこぼした。

 「まだ初戦。ロッカーに戻ってから、喜んではいけなかったかな、と反省しています」

 今季レギュラーシーズンで代打に立つこと54度。5回以降はベンチ裏で気持ちを高めていた二岡も、「その時」が来たことを感じ取っていた。糸井の2ランで同点に追い付いた7回、なお2死一、三塁。栗山監督が「代打二岡」のカードを切った。マウンド上には森福。その初球。「ある程度(軌道の)イメージはできていた。自然とバットが出た感じ」と外に逃げるシュートを逃さず、体を開き気味に右方向へ運ぶ。得意の打撃で決勝点を挙げた。

 巨人時代に天才打者と呼ばれた二岡も14年目の36歳。両ふくらはぎ、太腿など下半身にケガを抱え、全力で走ることもままならない。そんなベテランを栗山監督は1軍に置き続けた。スポーツキャスター時代から会食するなど親交が深かった二岡について「準備の仕方、ベンチでの姿は尊敬できる」。一振りに懸ける二岡も、打率・292、1本塁打、9打点と期待に応えてきた。

 CSファーストSを勝ち上がってきたソフトバンク戦を前に、栗山監督は一塁付近にナイン、スタッフ全員を集めて円陣を組んだ。「緊張するに決まっているから、緊張してやってくれ。結果は別として、攻め続けましょう」。力強く訴えた指揮官の思いをくむように、7回の攻撃に力を結集させた。その姿に指揮官は「心のつながりを感じた」と目を細めた。

 日本シリーズ進出まであと2勝。相手は古巣・巨人となるかもしれない。08年オフ。巨人から移籍した際には「背番号は7以外なら何でもいい。巨人時代のことは忘れてゼロからやりたい」と決別を宣言した二岡。移籍1年目の09年の日本シリーズでいきなり古巣と対したが、14打数3安打と結果を残せず、チームも敗退。口にこそ出さないが、今度こそ巨人を倒して日本一との思いは強い。

 「きょうは糸井の本塁打で球場の雰囲気も変わって、それに打たせてもらっただけ」。近大の後輩・糸井を称え、広陵(広島)の後輩である吉川に白星をつけた二岡は、帰り際にはいつものクールな職人の顔に戻っていた。

 ≪V確率100%≫日本ハムがアドバンテージの1勝を含む連勝スタートを切った。パのプレーオフ、CSのファイナルSおよび前後期制時のPOで初戦から2連勝は、昨年の中日、ソフトバンクに次ぎ延べ14チーム目。過去13チームを見ると全て勝ち上がっておりV確率は100%だ。また、日本ハムの過去のファイナルSを見ると第1戦に勝った年は全てシリーズ進出を果たしているが今季はどうか?

 ≪加藤俊夫以来31年ぶり≫日本ハムは糸井の同点2ラン、代打・二岡の右前打で逆転勝利。プレーオフ、CSで代打による勝利打点は、昨年セのファイナルS(2)戦で飯原(ヤ)が本塁打で記録して以来。チームでは81年プレーオフ(3)戦の加藤俊夫以来31年ぶりだ。また、日本ハムの逆転勝利は06年(1)戦、07年(1)戦、09年(1)、(2)戦に次ぎ5度目。2点差以上の逆転は09年(1)戦で最大5点ビハインドからスレッジが逆転サヨナラ満塁弾を打って以来2度目となった。

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2012年10月18日のニュース