1番イチ 4タコ零敗「ごちゃごちゃ言っても仕方がない」

[ 2012年10月16日 06:00 ]

<ヤンキース・タイガース>8回、中飛に倒れ4打数無安打に終わったヤンキースのイチロー

ア・リーグ優勝決定シリーズ第2戦 ヤンキース0―3タイガース

(10月14日 ニューヨーク)
 窮地に立たされた。ヤンキースは14日(日本時間15日)、タイガースとのリーグ優勝決定シリーズ(7回戦制)第2戦で、打線が散発4安打で零敗を喫し、本拠地で連敗スタートとなった。左足首を骨折したデレク・ジーター内野手(38)に代わり、今ポストシーズンで初めて1番に入ったイチロー外野手(38)も4打数無安打。7回2/3を11奪三振、3失点と力投した黒田博樹投手(37)を援護できなかった。

 48歳の誕生日を迎えたジョー・ジラルディ監督に、沈黙を続ける打線へのフラストレーションもあったに違いない。0―1で迎えた8回表2死一塁。ジャクソンの右前打で一塁走者のインファンテが二塁をオーバーラン。右翼からの送球を受けた二塁手のカノは走者の手がベースに届く前にタッチしたかに見えたが、判定はセーフ。直後に相手は連打で2点を加えジャッジを不服として猛抗議をした指揮官は退場処分を受けた。

 「判定が違っていたら結果が変わっていたとまでは言わないが、われわれは(キャンプ当初から)ここまでに235日をかけている」。指揮官は本塁打以外のプレーにもビデオ判定の拡大を訴えた。試合後にジェフ・ネルソン二塁塁審は「誤審」と認めたが、すべては後の祭りだ。

 今のヤ軍打線に、3点をはね返す力はない。わずか4安打で零敗。前日に左足首を骨折したジーターに代わって1番に座ったイチローも4打数無安打。「ごちゃごちゃ言っても仕方ない。勝たなきゃしようがない。そういうことでしょ」と、リードオフマンの役割が果たせず悔しさをにじませた。

 指揮官が「各打者のアジャストが必要だ」と語気を強めたように、主力も軒並み不振だ。カノはポストシーズンワースト記録の26打席連続無安打。ロドリゲスは23打数で12三振の打率・130。チーム打率はポストシーズンに入って・205で、適時打は地区シリーズ第5戦の6回にイチローが放って以来、実に23イニングも出ていない。

 主将のジーターは第3戦以降の舞台となるデトロイトにも同行せずに治療に専念。チームの精神的支柱はベンチ内にも不在となる。イチローは「きのうは難しい時間だったが、きのうからきょうに入るまでの間にみんな、それ(ジーター不在の現実を受け止めること)をしたと思う」と話した。敵地で迎える第3戦の相手先発は昨季サイ・ヤング賞の右腕バーランダー。メジャー屈指の速球派右腕を倒さない限り、世界一への道は開けてこない。

 ≪突破率13・6%≫ヤンキースが本拠地で連敗し、対戦成績は0勝2敗となった。リーグ優勝決定シリーズが7回戦制となった85年以降、過去26年間で連敗スタートした22チーム中、ワールドシリーズに進出したのは3チームで、突破率は13.6%。ヤ軍は厳しい状況に追い込まれた。

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2012年10月16日のニュース