和田 CS初の40代V弾!「よく打てたなと思う」

[ 2012年10月14日 06:00 ]

<中・ヤ>4回無死一塁、中日・和田は先制となる左越え2ランを放つ(投手・石川)

セ・リーグCSファーストS第1戦 中日6―1ヤクルト

(10月13日 ナゴヤD)
 クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)が13日に開幕し、セ・リーグは、2位中日が和田一浩外野手(40)の先制2ランを含む3打点の活躍で、3位ヤクルトを下した。14日の第2戦に勝つか引き分けると、ファイナルステージ進出が決まる。
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 緊迫した投手戦の空気をベテランの一振りで変えた。4回、四球のブランコを一塁に置き、和田がヤクルト先発・石川の120キロの甘い変化球を左翼スタンド最前部へ運んだ。

 「(レギュラーシーズンで)打てていない中で、よくCSで打てたなと思う」

 今季は9本塁打と12年ぶりに2桁に届かなかった。昨季も4年連続3割以上だった打率は・232に落ち、12本塁打、54打点も中日移籍後で最低だった。優勝争いの渦中の9月には2軍落ちも経験した。「ヘッドスピードを上げていかないと統一球は打てない。一番は振ること」と、今春キャンプでは特注の大きさは同じで重さが通常の2倍近い300グラムの球を打ち込んだ。さらに社会人時代以来という筋力トレーニングも取り入れた。ロンドン五輪陸上女子100、200メートル代表の福島千里も使うベルト状の器具で胴体部分を鍛え、力を効率よくバットに伝える体づくりに励んだ。しかし、結果は出なかった。

 「僕が仕事をしないから優勝できなかった」。人一倍の責任感を背負って臨んだポストシーズン。ただ、一方で「シーズン中は何タコ(無安打)とか考えてしまう。CSは各打席で気持ちを切り替えやすい」と話す。6回は内野安打で出塁して生還すると、7回にも1死満塁でリードを広げる右前適時打。県岐阜商の大先輩にあたる高木監督は「(ヤクルト先発は)館山一本と思っとったから…。頼れる打者。初戦で本塁打、適時打はこの後に向けて大きい」と称えた。

 1球で流れが変わる短期決戦。6年続けてCSを戦うチームに、勝負どころを心得た百戦錬磨の40歳は「1試合の集中力がみんな違う」と言う。リーグ3連覇を逃した中日が、巨人に再挑戦する舞台へあと1勝とした。

 ≪92年杉浦に次ぎ2本目≫40歳の和田(中)が決勝の先制2ラン。ポストシーズンで40代選手の勝利打点は6本目だが、決勝本塁打は92年日本シリーズの杉浦(ヤ)に次ぎ2本目。プレーオフ、CSでは初となった。また、ポストシーズンの40代アーチは09年CSの山崎(楽=現中日)以来5人目、6本目。これで和田はPO、CS通算37試合で打率・318、7本塁打、22打点をマークし勝利打点も5。本塁打はウッズ(中=8本)に1本差の歴代2位、打点、V打はいずれも歴代最多と大活躍を見せている。

 ≪14日○△で進出≫中日が初戦に勝利。07年からのCS通算成績は18勝10敗1分けだが、ファーストSに限ると7勝2敗(勝率・778)と強い。ファーストSは3試合を行い勝利数の多いチーム、引き分けが生じ勝利数が並んだ場合はレギュラーシーズン2位のチームがファイナルSに進出する。

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2012年10月14日のニュース