2位死守へ!西武“執念”の時間稼ぎ「引き分けで1つ減るから」

[ 2012年10月5日 06:00 ]

<楽・西>執念のドロー!プロ12年目で初めて一塁の守備に就いた中島を迎える西武・渡辺監督(左)

パ・リーグ 西武5-5楽天

(10月4日 Kスタ宮城)
 西武は4日の楽天戦で、3点を追う9回に同点に追いつき引き分けた。同点直後の裏の守備では、渡辺久信監督(47)が、時間稼ぎにも見える選手交代まで行う執念の采配を見せた。この結果、5日に3位のソフトバンクがオリックスに敗れれば、西武の2位が確定する。また、楽天のBクラスとソフトバンクの3位以内も決まった。

 執念で追いついた。西武ベンチでは控えめなハイタッチが交わされていた。「引き分けで大丈夫なんだよね?」。優勝なき今、狙うは2位の座。3点差を追いついた9回は必死で引き分けを狙いにいった。

 「引き分けで(2位の)マジックナンバーが1つ減ると分かったから、それを取りにいったということ。9回を3点差で迎えて、どう見ても負けの可能性が高い中、よく追いついた」と渡辺監督は淡々と振り返った。

 3点ビハインドで迎えた9回1死。代打・カーターから四球を挟み怒とうの5連打で一気に追いついた。左膝痛を抱える中村が右前適時打で出塁後には、こちらも左脇腹痛など満身創痍(そうい)の中島を、9年ぶりに代走として起用。その必死の采配が直後のオーティズの同点適時打を呼び込んだ。

 さらに迎えた9回裏。5番手のウィリアムスが2死を取った時点で、試合時間は3時間25分を経過していた。規定によりあと5分で新たなイニングには入らない。残りは打者1人。指揮官はここで涌井を投入した。さらに1球目を投げると、今度は代走後、DHに入っていた中島をプロ初の一塁に据えた。選手交代で時間を稼ぐ露骨なやり方に、楽天ファンからはブーイングも飛んだ。

 米野から借りたミットを手に臨んだ中島は「(攻撃後)ベンチに帰ったらちょっと動いといてと言われた。その後(守備は)ないと言われて、また動いて、と」。ベンチ裏ではスタッフが勝敗表をにらみながら、懸命に勝率の計算をしていた。引き分けでも2位確保に半歩前進すると分かったのは、中島が守備に就く直前だった。

 打てる手は全て打った。5日にソフトバンクが敗れれば2位が確定。CSファーストSを本拠地で戦うことができる。

 ≪中島の一塁守備はプロ入り初≫中島(西)が9回に代走で出場。自身代走で出場したのは03年8月16日オリックス戦以来、9年ぶり4度目だ。その後、オーティズに代わり一塁の守備に就いたが、中島が一塁を守ったのはプロ入り12年目で初めて。これまで公式戦で守ったのは遊撃1157試合、三塁25試合と2つのポジションだけだった。

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2012年10月5日のニュース