守護神崩れ17勝目逃すも ダル堂々プレーオフへ

[ 2012年10月2日 06:00 ]

<レンジャーズ・エンゼルス>7回途中、1点差まで詰め寄られ、降板となったダルビッシュ(中)

ア・リーグ レンジャーズ4-5エンゼルス

(9月30日 アーリントン)
 レンジャーズのダルビッシュ有投手(26)は30日(日本時間1日)、エンゼルスとのダブルヘッダー第1試合に先発。6回2/3を9安打3失点で勝利投手の権利を持って降板したが、救援投手が9回に逆転され、17勝目を逃した。チームは第2試合に勝利し、3年連続のプレーオフ進出が決定。1日(同2日)からの2位アスレチックスとの3連戦で1勝すれば、3連覇が決まる。このほか、ヤンキース、オリオールズのプレーオフ進出も決まった。

 第1投から9時間16分後。ダブルヘッダー第2試合を一塁ベンチ最前列で見守ったダルビッシュにようやく笑顔がのぞいた。まずはプレーオフ進出が決定。勝利のハイタッチを終えた後は、ナインにロジンバッグを投げるいたずらをするなど、厳しい表情は一変した。

 「キャッチボールもできない状態だったので、あまり良くなかった。その中で悪いなりに試合をつくることができた」

 午後0時8分に始まった第1試合。首の張りで25日の先発を回避したダルビッシュは、10日ぶりのマウンドで制球力を欠いた。それでも粘った。序盤、エ軍が追い込まれてから変化球狙いとみると、速球系で勝負した。カットボールに相手が慣れた中盤以降は、ツーシームを織り交ぜた。横手からも投じて打者の目先を変えた。強風の中で不運な安打も重なったが、6回2/3で9安打3失点。できることをやり抜いた117球だった。

 地区3連覇へ向けた大一番にも「僕は鈍感なので。マウンドに立ったらバッターしか見えていないし、キャッチャーしか見えていない」と言った。鬼気迫る集中力は審判の判定をも覆した。7回先頭のイズタリスの一ゴロでベースカバーに入ったが、判定はセーフ。しかし「ベースも踏んでいるしボールも持っている!」と猛アピールすると、審判団の協議の末にアウトとなった。

 レギュラーシーズンはこれが最終登板。9回2死から守護神ネーサンが逆転を許して17勝目は消えたが、日本人1年目最多の16勝、リーグ3位の221奪三振と堂々の成績でプレーオフへ向かう。クオリティースタート(6回以上自責3以下)を8試合連続に伸ばした終盤の安定感は抜群。地区優勝が決まれば、地区シリーズ第1戦先発の大役を担う可能性は高い。

 「監督とかコーチが投げろと言われればいつでも投げる」。ダルビッシュは力強く言った。2年連続ワールドシリーズで敗退しているレンジャーズ。球団初の世界一へ、「10月の戦い」も背番号11が中心となる。

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2012年10月2日のニュース