石井琢 涙の2432安打目 お気に入り「終わりなき旅」で別れ

[ 2012年10月1日 06:00 ]

<広・神>引退セレモニーで胴上げされる広島・石井琢

セ・リーグ 広島1-2阪神

(9月30日 マツダ)
 マツダスタジアムには今季最多3万2095人の観衆が集まった。「98年、横浜での日本シリーズを思い出した」という大歓声の中、広島・石井が打席に向かう。1―2の9回2死二、三塁。逆転サヨナラのお膳立ては整った。メッセンジャーの150キロ超の直球に必死に食らいつく。3球ファウルで、1ボール2ストライクからの5球目。右飛でゲームセットとなった。

 お気に入りの曲、Mr.Childrenの「終わりなき旅」が流れる中、始まった引退セレモニー。「24年間、頑張ってきてよかった。本当に幸せな時間だった。もう一花咲かせたい。そんな思いで広島にやってきた。僕にとってカープの4年間は間違いなく財産です」。あいさつでは広島への感謝の思いを語った。前田健、東出、阪神・関本、そして詩織夫人と2人の娘から花束を贈られた。最後は笑顔でナインに5度胴上げされた。

 涙は、第4打席で流した。2死無走者で打席に入ると、こみ上げてくるものを抑えることができなかった。涙でボールがかすむ中、通算2432安打目となる右前打。8回の守備に就いた時も目は真っ赤だった。

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