中3日の牧田 踏ん張った13勝目「死に物狂いだった」

[ 2012年10月1日 06:00 ]

<西・オ>中3日で先発し8回を3失点で13勝目を挙げた西武・牧田

パ・リーグ 西武4―3オリックス

(9月30日 西武D)
 まだ西武に残る執念を牧田が必死に腕を振って体現した。ベンチで勝利を見届けた右腕は大きく息を吐き出した。

 「死に物狂いだった。体はきつかったけど、これが僕の仕事。きついとか言ってられない。きょうは意地というか、気持ちだけで投げました」

 前回先発した9月26日の楽天戦(西武ドーム)では直球がシュート回転し、6安打を許し2失点。プロ入り最短3回、わずか49球で降板した。それから中3日。雪辱のマウンドだった。

 しかし、2回に味方の2失策で失点するなど序盤からピンチの連続。6回まで毎回走者を背負ったが、切れがよみがえった直球で要所を締めた。7回には右ふくらはぎがつりそうになったが、「10連戦で中継ぎの方たちが頑張ってくれてる。少しでも長いイニングを投げようと思った」。8回まで8安打を浴びながらも投げ抜き、13勝目を挙げた。

 チームは日本ハムに痛恨の2連敗を喫し、落胆と疲労を隠せなかった。それでも、骨折で戦線離脱している主将の栗山からナインは「諦めたら終わりやぞ」と声を掛けられ奮起。前回のKO後、すぐに中3日での先発を通達した渡辺監督は「ナイスピッチング。よく涌井までつないだ」と褒めた。

 牧田はプロ初体験の中3日での先発に向け、この3日間はブルペンにも入らず、軽いキャッチボールで調整。日本ハム戦を自宅でテレビ観戦しながら「連敗を止める」と気持ちを入れたという。日本ハムの優勝を持ち越す勝利に、渡辺監督は「残り6試合を全部勝つ」。わずかな希望をつなぎ、指揮官は言葉に力を込めた。

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2012年10月1日のニュース