胴上げ目前M2!栗山監督 V打糸井にウルウル「頼もしい」

[ 2012年9月30日 06:00 ]

<日・西24>就任1年目胴上げ見えてきた!!西武に連勝しナインに声をかけながら出迎える日本ハム・栗山監督(中央)

パ・リーグ 日本ハム4―2西武

(9月29日 札幌D)
 福岡で舞う!日本ハムは29日、2位・西武との直接対決2連戦に連勝。今季初の5連勝(引き分けを挟む)で、優勝へのマジックナンバーを「2」とした。3回に糸井嘉男外野手(31)の2点適時打で先制すると、盤石の投手リレーで、最後は守護神・武田久投手(33)が締めた。30日はソフトバンク戦(ヤフードーム)。就任1年目の栗山英樹監督(51)に率いられたナインが、3年ぶりのVを一気に決める。
【試合結果】

 ついにここまでやって来た。マジック2。シーズン140試合目にして王手をかけた。満員の札幌ドーム。歓喜のヒーローインタビューを聞く栗山監督の目は、この日も赤く潤んでいた。

 「頼もしいよね。勝つことよりも、ギリギリ追い込まれても自分の力を出してくれてる」

 2位・西武との2連戦に2連勝。今季初の5連勝を飾った。貯金17も今季最多だ。一気にゴールへ突き進む勢いだが、栗山監督にはまだ安心感はない。「ここに来て数字を気にしなくなってからだね。人間、欲してはいけないのかな」。そう話すと、マジック2についても「あと4試合で2勝は難しい。重圧がかかる中で勝率5割は簡単でない」。1勝の難しさが身に染みているから、どこまでも慎重だ。

 V争いに神経を擦り減らす毎日。采配に全精力を注ぎ、試合が終わると監督室の椅子からなかなか立ち上がれない。「試合をやっているときは死にそう」だが、選手たちのひたむきなプレーが心を和ませてくれる瞬間があるという。ベンチとプレーする選手の一体感。この日は糸井がチームの思いを一つにした。

 3回だ。ベテラン金子誠の二塁打からつかんだ2死二、三塁。糸井が西武・岸の膝元のカーブを巧みに捉えた。中越え二塁打で2点先制。大一番で試合の流れを一振りで引き寄せた。「カーブは頭にあった。うまいこと反応できた」。相手の決め球を打ち崩す。これが抜群の身体能力を生かした糸井の打撃だ。

 以前、栗山監督は「あいつは3割、30本、30盗塁しろって言ったら本当にできる選手」と言ったことがある。その非凡なセンスで、V争いの佳境に11試合連続安打。打率・308で、トップの西武・中島に4厘差と逆転の首位打者まで見えてきたが、糸井は「タイトルはそんなには…。とにかく優勝したい。僕は必死にやってる。早く決めたいね」と笑った。

 ヒーローの声に大歓声がこだまし、舞台は札幌から博多へ。「今は想像できない」という栗山監督が、30日にもヤフードームで舞う。

 ≪デーゲーム西武次第≫日本ハムが西武との今季最終戦に勝ち、マジックを2に減らした。30日にも日本ハムの優勝が決まるが、マジック対象の西武は午後2時開始のデーゲームで日本ハムは午後6時開始のナイター。西武が勝った時点で優勝決定は10月1日以降に持ち越し。西武が●で日本ハムが○か△、西武が△で日本ハムが○のケースで胴上げとなる。なお今月の日本ハムは16勝6敗2分け(勝率・727)の快進撃。日本ハムの月間17勝以上は東映時代の61年9月に18勝5敗2分け、64年8月に17勝10敗と2度あるだけ。30日も勝つと48年ぶりチーム3度目になるがどうか。

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2012年9月30日のニュース