武田久 パ新月間11セーブ 胴上げ投手は決まり!

[ 2012年9月30日 06:00 ]

<日・西>9回を抑えパ・リーグ新となる月間11セーブ目を挙げた日本ハム・武田久

パ・リーグ 日本ハム4-2西武

(9月29日 札幌D)
 どこまでも冷静沈着。最後の瞬間も日本ハム・武田久らしかった。3点リードの9回。1点を失ったものの、2死一塁で、4番・中村をスライダーで空振り三振に斬った。今季31セーブ目。パ・リーグ新となる月間11セーブ目にも派手なガッツポーズはなく、鶴岡とハイタッチしただけ。「そういう記録があることは知らなかったしね」と、偉業を淡々と振り返った。

 今季は右膝痛で5月の1カ月間は戦線離脱。復帰後もしばらくは思うように直球が走らずに苦しんだ試合もあったが、走り込みから下半身が安定した夏場に入って復調した。「僕の調子のバロメーター」と話す140キロ台半ばの直球に切れが戻り、低めに制球されるようになった。「久がいるから早めの継投で勝負できる。感謝している」と栗山監督。9月は16勝6敗2分けの快進撃で、混戦を一気に抜け出したのも、頼れる守護神が後ろに控えているからだ。

 1メートル70と小柄な体で7年連続50試合以上に登板している鉄腕。「プロ野球選手である以上、やるのは自分だから」と入団以来群れをつくらず、試合前のアップなども黙々と1人で行って試合に備える。97年の「ハマの大魔神」こと佐々木主浩の月間14セーブに次ぐ史上2位タイの記録で、2年連続3度目の最優秀救援投手賞にも一歩近づいた。

 「胴上げ投手?僕はそういうのに縁がないし、正直どっちでもいいです。あんまり欲がないですから」。武田久は苦笑いしたが、歓喜の瞬間にマウンドに立っているのは間違いなくこの男だ。

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2012年9月30日のニュース