陽岱鋼決めた!リーグ一番乗り70勝、最短V30日

[ 2012年9月27日 06:00 ]

<日・ロ>お立ち台でB・Bにキスされる陽岱鋼

パ・リーグ 日本ハム5-2ロッテ

(9月26日 札幌D)
 首位・日本ハムは26日、ロッテに競り勝ち、リーグ一番乗りで70勝に到達。2位・西武が敗れたためにゲーム差を2に広げた。同点の7回に陽岱鋼外野手(25)が決勝の2点適時打を放つなど、怒とうの5連打。栗山英樹監督(51)は1年目の指揮官としては球団最多勝利を達成した。28日にも待望の優勝マジックナンバー3が点灯し、最短Vは30日。歓喜のゴールは、手の届くところにある。
【試合結果】

 センターの守備に向かう陽岱鋼が右手を派手に突き上げた。わき上がる大歓声。それは優勝への歩みを象徴するかのようなシーンだった。

 「まあ、サンキューでーす!」。おなじみのフレーズを響かせたヒーローインタビュー。好調の要因を問われて「幸せです」と笑った。シーズン137試合目にしての大仕事。こんな姿を誰もが待ち望んでいた。

 暗雲を振り払ったのは7回。2点差を追いつかれ、打線も小野に苦しんでいた。簡単に2死。そこから大野が出て、金子誠が左翼への一打を走りに走って二塁打にした。36歳の激走。「体の悪い金子さんのあの走りで楽に打席に入れた」。初球シュート。迷わず振り抜くと、中前へ抜ける決勝2点打となった。

 さらに西川、糸井も続き、怒とうの5連打で一挙3点。チームを覆うV争いの重圧を25歳の若武者がはね返したのだ。

 「狙いは全く考えてない。でも、打線の流れで初球から、シュートを頭に置いて打った」。ここにプロ7年目の成長があった。今季は右翼から中堅へコンバート。栗山監督には、中田とともに春の紅白戦から全試合フルイニング出場を求められてきた。大きく変わったのは中堅からの視界。全試合でバッテリーと打者の勝負を真後ろから見ることで、自然と配球や攻め方を学んだ。広い守備範囲を生かすためのコンバートが課題の打撃に副産物を生んだのだ。

 それまで3打席は2三振に中飛。全く合ってなかった小野のシュートを1球で仕留めた。栗山監督は「相手がどういう球を投げるか頭で整理できてる。それに人柄というか、重圧がかかるほど力を発揮する」と絶賛。球宴で全パ・秋山監督が1番に起用し、MVPを獲って後半戦から1番に定着した。故障で離脱した田中が打つことが多かった1番で「賢介さんの分もカバーしたい」。

 そんな陽岱鋼の笑顔に乗って栗山監督は球団初の新人監督70勝を達成。「俺は関係ない。選手がよくやってくれた」と謙遜したが、西武とは2ゲーム差。ゴールへの視界は確かに開けてきた。

 ▼日本ハム・金子誠(7回に決勝打を呼び込む左越え二塁打)他の選手なら普通に二塁打。でも今の僕には一番厳しい動き。必死にやりたくてもできない体。もどかしさはあります。

 ≪栗山監督は5人目≫日本ハムは今季70勝目。チームでシーズン70勝以上は、61~66年水原茂(当時東映)、93年大沢啓二、06、07年ヒルマン、08~11年梨田昌孝の各監督が達成しており栗山監督は5人目。新人監督としては00年大島康徳の69勝を抜く最多勝利になった。なお、この日の結果、28日にも日本ハムに優勝へのマジックナンバーが点灯する。日本ハムが27日のロッテ戦と28日の西武戦に連勝なら無条件でM3か4が出る。

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